これを読めば書道がわかる!(※効果には個人差があります)

まずタイトルがズルい。嫌が応にも「葉隠」の有名な一文を想起させる。
そしてキャッチコピーだ。ただの五文字で「それってどういうこと!?」とこちらの関心を掴んでくる。
なるほど、これが書道の力なのか……(※フォントです)。

そんなわけで読み始めた本作、ご想像の通り基本的にギャグ作品である。ギャグ以外であってたまるか。
たまにシリアスなシーンになることもあるが、行間にはしっかり笑いの刺客が潜んでいる。毎話必ず一回は思わず声を上げてツッコミを入れざるを得ない場面が出てくる。早々に「これは通勤電車で読んではいけないやつだ」と判じた私は正しかった。

そして肝心の内容だが、てっきり判官筆で殴り合うのかと思ったら本当に書道で勝負している。そして「書道勝負に負けたら自害」というのだ。――そんなまさか!
さすがに最初のうちは「これは出オチだけで後半失速する奴では?」と心配になった。しかし実際はさにあらず、次々と明かされる知られざる書道の本質(?)が物語に燃料を追加する。
書道とサーフィンにそんな関係が!? 書道のメジャーリーグ!? 本当に人が死ぬだと!!??
めくるめく展開の果てに、最終話を読むころには「あれ、書道って何だっけ……?」と悟りの境地に至っていた。単に混乱しただけかもしれない。

多分、上述の文章では何を言っているのかわからないと思う。実際私にもわからない。
なので一度実際に読んでみてほしい。
ここには無病息災、不老長生、人生潮流を操る書道の真髄がある。なお責任は負わない。

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