孤独が二人を引き逢わせた

凍てつくような白い闇を、孤独な少女は歩いていく。
ついに力尽き倒れ込む彼女を優しくすくい上げたのは、孤独という感情さえ知らない氷の獣だった。

ともすれば相手を破滅させる共依存になってしまいそうな危うさを秘めた展開でしたが、相手を思うからこそ別れを告げることができる。これって溺愛よりもはるかに愛だと思うんです。
寂しさと悲しさが手をつないで二人を会わせたんだ、なんて歌がありましたが、この話を読んでその歌詞が浮かびました。

哀しいままでは終わりません。
読み終えたとき、きっとこの冬の空気のように清々しい気分に満ちていることでしょう。

寒さ厳しいこんな季節だからこそ読んでほしい一作です。

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