最初の三行で新しい波が来たと感じた。
- ★★★ Excellent!!!
タイトルも魅力的だけれど、なにより最初の三行が良い。
うららかな春の夜、郵便受けに生首が入っていた。
「こんばんはお嬢さん! いい夜ですね!」
しかも喋った。無駄に爽やかな声で。
この三行の時点で、すでに既存のラブコメ、ホラーな設定を飛び越えてしまっている。
面白くないわけがない。
下手に扱えば出オチで終わりかねないこの設定を、中盤、終盤、さらには重くなりがちなテーマさえも混じえながら上手く昇華させきっているのだから、本当に見事。
ジャンルにとらわれない発想や、テーマの時代性から、新時代の波をフツフツと予感させる。
こういった作品に出会うと、あー、ワクワクが止まらない。