最初の三行で新しい波が来たと感じた。

タイトルも魅力的だけれど、なにより最初の三行が良い。

 うららかな春の夜、郵便受けに生首が入っていた。

「こんばんはお嬢さん! いい夜ですね!」

 しかも喋った。無駄に爽やかな声で。

この三行の時点で、すでに既存のラブコメ、ホラーな設定を飛び越えてしまっている。

面白くないわけがない。

下手に扱えば出オチで終わりかねないこの設定を、中盤、終盤、さらには重くなりがちなテーマさえも混じえながら上手く昇華させきっているのだから、本当に見事。

ジャンルにとらわれない発想や、テーマの時代性から、新時代の波をフツフツと予感させる。

こういった作品に出会うと、あー、ワクワクが止まらない。



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