儚いのに、力強い。

悲しいのに生き生きと眩しい、苦しいのに美しい、儚いのに力強い。そんな作品です。

人物の描き方がリアルで、読みながら自分自身とどこか重ね合わせてしまう。堕落した主人公が、前を向いていく姿に、圧巻されました。

人物の話す言葉のひとつひとつ、それから、緻密に描写される風景の美しさに、芸を感じます。また、時計や香水など、物語の中で吹く風によって形を変える表現にも注目です。

ネット小説で、こんなにも哲学的な芸術作品にはなかなか出会えないと思います。
一読すべき作品。

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