とある家にやって来た「1人」の執事ロボット。彼が語るのは、仕えるお嬢様が眠くなるほどつまらなく他愛もない話。何度も繰り返す中でお嬢様は時に笑い、時に怒り、時に泣き、そして……。どこまでも真面目で一直線、(良い意味で)愚直な執事と、彼と共に過ごし続けたお嬢様。そんな2人がやがて辿り着く、いえ、辿り着かなければならない結末は……。この短編は、決してつまらなくない、仄かな優しさに満ちた作品です。
淡々と少ない言葉で紡がれるのに、お嬢様とお嬢様のためにつまらない話をした執事ロボットの生涯が鮮やかに描かれている。そこかしこに現れる執事ロボットの無機質な優しさは、お嬢様がいるからとても温かく、時に切なく見えて、すごく好き。
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