事故物件に1日だけ住んで、YouTubeで動画配信するアルバイトはじめました。

スーパーゴーストイーター編

0本目【超新生】俺たち『スーパーゴーストイーター』です！

自己紹介生配信【はじめましてのごあいさつ？】

「ハイ、どうも〜！！　いただきますっ！　『スーパーゴーストイーター』のウスバカゲロウ一号です！」

「イヴ・エンジェルです」

「あっ！　イヴ姉ちゃんなんで本名言うんだよ！　姉ちゃんはウスバカゲロウ四号だって言っただろ！？」

「だって一号と四号ってバランス悪くありません？　前回が二号と三号だったなら、今回は四号と五号じゃないですか？」

「細かいこと言うなよ！　なんか、俺って一号って感じだろ〜？」

「よく分かりません」

「分かんなくていーよっ！！」

「私はダディからもらった黒いキャップと黒いマスク、それに長い金髪がトレードマークですのでよろしくお願いします」

「俺はユートが使ってたライオンマスク！」

「それはまだ浅葱サンには大きすぎるんじゃないですか？　大人用でしょ」

「うっさい！　すぐに大きくなるからいいの！　あと本名で呼ぶなって！」

「はいはい、すいません」

「えっと……俺たち今日から、コンビYouTuberとして活動します！」

「具体的に、何をするんですか？」

「ここにユートの『事故物件ノート』があります！　この中の未解決事故物件を探検する、事故物件YouTuberでもやろっかな！　ホラ、この『マーメイドの家』とか面白そうじゃね？」

「そこ、たぶん沼地だと思います」

「マジで！？　ユート、ネーミングセンスゼロだな……！！」

「危ないですよ、事故物件なんて」

「なんで！？　ユートたち楽しそうに動画撮ってたじゃん！」

「それは動画内だからですよ。裏側では、きっと辛いことや苦しいことがあったはずです」

「えぇ〜……イヴ姉ちゃん、さっき賛成してくれたのに〜」

「浅葱サンが一人でするって言うから。心配なので、ついて行きますよ。浅葱サンのことは生まれたときから知っていますし」

「いっつも保護者気取りなんだよなぁ」

「浅葱サンは前世、一人で背負い込む性質でしたから。今世ではたくさん周りに頼っていいんですよ」

「その台詞もいつもと同じだし。俺、前世とか幽霊とか信じてないから！」

コンコン

「おーい、載斗（さいと）〜！　イヴちゃ〜ん！　ご飯できたから出ておいで〜」

「あっユートだ！」

「浅葱サン、いい加減パパさんのことを名前で呼ぶの止めたらどうですか？」

「だって……なんか、ユートのことパパって言うの気持ち悪い……」

「なぜ？」

「なんとなく！　ユートはユートって感じだし！」

「分かりかねますねぇ」

「開けるよ？　二人とも何してるの？　僕のマスクなんか被って……」

「げっ！　ユート勝手に開けるなよ！」

「私と浅葱サンの『スーパーゴーストイーター』の、記念すべき初動画を収録中です」

「動画！？」

「しかも生配信だぜ！」

「初動画で生配信！？　僕たちだって生なんてやったことなかったのに！？」

「生でヤったから浅葱サンができたんでしょ？」

「えっ？　なんのこと？」

「イヴちゃん……！！！　き、キミは女の子なんだからそんなこと言っちゃダメだよ……！！　誰に教わったの……！」

「ダディです」

「ラフィ……！！　なんてことを……！！」

「騒がしいですけど、どうしたんですか？」

「那由多くん！　来ちゃダメだよ！　載斗（さいと）たちが動画撮ってる！」

「ハァ……仕方ないですね。マスクつけて行きます。どいて下さい」

バチン！！！

「あ痛ぁ！？」

「躊躇いのないデコピン……！」

「甘いんですよ、浅葱さんは。イヴ、ラフィが迎えに来てますよ」

「イヴ、帰るヨ〜。マミーが待ってる」

「にゃあ、にゃ〜」

「ありがとうございます。マイゴッドも来てるみたいですし、そろそろ帰りますね」

「あっ！　イヴ姉ちゃん！　俺と一緒にYouTuberやってくれるって約束だろ！？」

「ええ、もちろんそのつもりですよ。載斗（さいと）が高校生になったら、またやりましょう？　それまでにご両親を説得しておいて下さいね」

「ホント！？　待ってよイヴ姉ちゃん！！」

バタバタバタ……。

「逃げられましたね……」

「日に日に手がつけられなくなるなぁ……。もうすぐお兄ちゃんになるって言うのに」

「いつか、YouTubeに興味をもつだろうとは思ってましたけど」

「今や子供のなりたい職業ランキングに入ってるもんね！　YouTuberって！」

「どうします？　やらせますか？」

「う〜ん……危ないことはさせたくないけど、イヴちゃんも一緒なら……高校生になったらいいんじゃないかな？　さすがに小学生のうちは……」

「そうですね」

「きっと載斗（さいと）も、僕たちと同じで説得に応じるタイプじゃないし。自分で行動して、学んだ方がいいと思う。それまでは、ちゃんと見守ってあげよう？」

「はい」

「……一号って、子供のころあんな感じだった？」

「姿形は同じですけど、載斗（さいと）は載斗（さいと）ですよ」

「あっ、ごめんごめん……あんまり似ているからさぁ」

「……兄ちゃんは私の前ではしっかりしていましたけど、結構自分勝手なところがあったので、ある程度は似ていると思いますね」

「そっかぁ……のびのび育ってくれるならいいんだけど」

「大丈夫でしょ、載斗（さいと）なら」

「懐かしいノートだねぇ。どこから引っ張り出してきたんだか……。覚えてる？　僕たちの『ゴーストイーター』」

「もちろん。あの時の経験は忘れられません。激動の十代でした」

「うんうん」

「まさか十代の内に、子供を産むなんて思っていませんでしたけど」

「それはごめんなさい……！！！！　本当にごめん……！」

「何を謝ることがあるんですか？　私は別に構いませんよ。卒業式の日に結ばれるなんて、ロマンチックでしょ」

「ごめ……ごめんなさい……キミが成人するまでは待つ、つもり、だったんだけど……」

「はぁ……全く」

「なんでもするから！！」

「もう、なんでもしてもらってますよ」

「えっ？」

「あぁ、でも……強いて言うなら」

「うん！」

「私、三人兄弟だったんです」

「知ってるけど？」

「だから……あと一人、欲しいんですけど。……お願いできますか？」

「そ、そのお願いは反則だよ……！」

「なにが反則ですか。浅葱さんが先に仕掛けたことでしょう」

「それに、まずはお腹の子を産んでからだって！」

「もちろんですよ。将来設計の話です。産休の関係もあるし。でも事前に言っておかないと、浅葱さんまたビビって数年手を出してこなくなるでしょ」

「だって、那由多くんだって勉強したり働いたりしたいだろうし……」

「これだから浅葱さんは……」

「……キミもいま、浅葱さんだけどね」

「じゃあ、二号さんで」

「そこは名前で呼んでくれない！？　そんなんだから載斗（さいと）が全然パパって呼んでくれないんだけど！？」

「いやです」

「やっぱり！！」

「……なんて、嘘です」

「えっ？」

「優斗さん」

「……ッ！」

「愛してるから、バイバイしたくないです」

「いや……まぁ、もう結婚して一緒に住んでるんだから、バイバイしなくていいんじゃない？　ははは……」

「はぁ……鈍すぎる通り越して化石なんじゃないですか？」

「うっ……！！　さっ、流石に僕も分かるよ！！」

「じゃあ、言って下さい。あの時みたいに」

「えっと……そのぅ……」

「はやく。ご飯が冷めますよ？」

「……ぼっ僕も、キミとはずっと、バイバイしたく、ない、よ……！」

「………」

「あ、あいしてる、から……」

「人の台詞パクった上に照れながら言わないで下さい。気持ち悪い」

「頑張って言ったのに！？」

「それに、そんなことぐらい知ってます。いつも言ってくれるじゃないですか」

「言ってるかな……」

「私には、ちゃんと聞こえています」

「そっか……それなら、いいんだけど」

「私ぐらいしか、アナタは無理ですよ」

「へへ……そうだね、その通りだ」

ジー……。

「……もしかして、このカメラってまだ動いてる？」

「止めた覚えはありませんね。生配信って言ってましたっけ」

「いっ、今すぐ止めよう……！！」

「一応、言っておきましょうよ。『ゴーストイーター』なら」

「そうだね……っ！　何人の方がこの生配信見てるのか分かんないんだけど……」

「ご覧いただき、ありがとうございました」

「ごちそうさまでしたっ！　ばいばいっ！」

「ばいば〜い」

＜コメント：新着順５件表示＞

アカウント名：るるみ

『ゴーストイーター』ってなんだっけ？

誰か聞いたことある人いる？

大人が入ってきてから絶妙に見切れてて誰が誰だかわからん！

アカウント名：ノンチャン

十年以上前に活動してたコンビYouTuberだよ！

事故物件に1日だけ住んで、YouTubeで動画配信してたコンビ！！

まだ動画残ってるはずだから、気になったら『ゴーストイーター』でチャンネル検索してみて！

わりと面白かったよ〜〜！

配信当時は自分もまだ中学生だった……！

歳をとったなぁ……。

アカウント名：佐渡汽船

途中から何を見せられてるのかと思った笑

ほんと『ゴーストイーター』とか懐かしい！！！

アカウント名：kio 三番

10歳のサイトくんが高校生になった時を楽しみにしています。

『スーパーゴーストイーター』、チャンネル登録しておきますね！

アカウント名：Ｒ san

Eve Love＾＾

Thank you good channel＾＾

……end，OK？