やはりこの作者様の発想は面白い!
そしてやっぱりトイレが絡んでいた……。
未登録のキャラクターを規制するために、主人公たちが奔走する物語。確かに、現代日本ではキャラクターが溢れている。そこに目を付けたのが、この作者様の慧眼が光るところだ。次々に未登録キャラクターを削除し、物販物を没収し、監視する主人公たちの評判は、良くない。特にSNS上では、叩かれまくっている。それでも主人公は、業務を日々遂行する。
そんな時、未登録キャラクターたちの襲来を受ける主人公。
果たして、彼らは何者? 何が目的?
まあ、上には上がいるものですね……。
一体、キャラクターは誰のモノ?
作者のもの? それを愛するファンのもの? それとも?
是非、ご一読ください!
時間と愛情を注ぎ込んでやっと誕生したキャラクターは我が子のように可愛いものです。それを無許可だからといって削除するなんて。そんな人々の切なる思いを受けて立ち上がった五人の戦隊ヒーローが活躍する物語。
『五人揃って水洗戦隊トイレン・ジャー』
決め台詞も高らかに悪臭菌に立ち向かう姿は毎回感動を呼び、ついには映画化も決定。それまで売れない俳優として15年、ほそぼそと生活してきたレッドの中の人はあれよあれよという間にスター街道を駆け上がってゆきます。しかし思わぬ落とし穴がポットンとあいていて……。
(この先は本文でお確かめください。なおレビューと本文との間にある隔たりはタワシで擦っても消えません)
キャラクター監視管理協会。
もし、そんな組織があったら……
タイトルの通りキャラクターを監視し管理する組織なのですが、異常なほどリアルに細かく設定されています。
作者さまの人物像を深く表現する能力に加え、リアルでありそうな組織体制が合わさった作品でした。
キャラクターを作った人。
そのキャラクターに好意を感じた人。
そして、そのキャラクター達を管理する人。
様々な思惑の中、衝撃のラスト。
果たして、この世界はどうなっていくのか。
裏で密かに暗躍している大きな影を無意識に想像してしまいます。
読み終えた後。膨らみ続ける妄想。
どうぞ、御堪能下さい。
ゆるキャラによる経済効果が認知され、各種団体がこぞってキャラクターを作り出し、アニメの聖地では観光客の呼び込みのために至る所にキャラクターが配される昨今、キャラクター監視管理協会はリアルに存在するのではないかと思わせる説得力があります。
そんな協会の活動と、それに携わる人々のヒューマンドラマを描いた物語……かと思いきや、途中で突然暗雲が立ち込め、鮮やかなオチが決まります。
大人気のトイレ小説でセンス溢れる短編を数多く書かれている作者様だけに、短編ながらも満足のいく内容の濃さとなっています。
読後にうーん!と思わず唸ってしまう、そんな楽しい読書体験を、ぜひ。
「ゆるキャラ」そんな言葉が登場したのは何年前のことだったでしょう。
今では「キャラクター」が災害復興のシンボルになったり、地元や企業への経済効果ももたらしています。
「キャラクター」の人気投票に組織票が動いたなんてニュースも最近ありました。
今作はそんな「キャラクター」を監視したり管理する委員会のお仕事小説です。さまざまな部署があり業務内容も多岐にわたります。現在のところはフィクションかな。
でも、本当にあるかもしれない「委員会」
本当にあるかもしれない「こんな未来」
タイトルの〇の部分はネタバレになるので伏字にしました。最後まで読んで当てはめてみてくださいね。
作者さまの才能がいかんなく発揮された一級エンターテイメント小説です。お見逃しなく(^_-)-☆