始 動 二〇一七年七月 2/2
*
「
マホガニーデスクの向こうで初老の男がにやけている。
男性は人差し指で机をタップした。
「
「どうもこうも、適当に抑えといてください」
「ザイが来たにもかかわらず滑走路の穴ぼこいくつかで本土の被害を抑えたんです。苦情どころか感謝されてしかるべきですよ。むしろあの時アニマを飛ばさなかったらどうなっていたことか。
「君、それを僕に言えというのか?」
「言い方はお任せします。内部調整は統幕長の
男性は天井を
「君に付き合っていると方々に借りばかり増えていくな。そのうち首が回らなくなったら君にも責任取ってもらうぞ」
「喜んで。ですが、あなたと私で手詰まりになった時は多分この国全部が地獄の
男は「違いない」と笑い書類を差し出してきた。
「これは?」
「喜びたまえ、君のプランが通った」
秘め事を明かすような
「感謝してくれよ、JAS39の件でお蔵入りになりかけた議論を引っ繰り返したんだ。かなり
「よく通せましたね」
「やはり先の
「なるほど」
「了解です、では早速動き始めるとしましょう。前例のない話ですしな。余計な茶々が入る前に
「……ドーターの集中運用、既存指揮系統からの独立、か」
男が書類の内容を暗唱する。八代通は「ええ」とうなずいた。
「そう、我々はアニマの独立飛行隊を持つのです」
ガーリー・エアフォース 夏海公司/電撃文庫・電撃の新文芸 @dengekibunko
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