この世で一番迷惑な者、それは『正義漢』


 正義感のつよいヒロイン星川響。彼女の死という衝撃的な事件から始まる物語。

 ぼくこと浅井祥は、まるで「正義の味方」のような星川に出会い、彼女に振り回されつつも次第に彼女に感化されてゆくのを感じるのだが……。

 正義感の強いヒロインに惹かれつつも、彼女のようなやり方は間違っていると感じる自分、また彼女のようにはなれない自分。
 一方、ヒロインも彼女自身の抑止力となってくれる浅井を認めつつも、まるで地球に落ちてきた流星のように、華々しく、そして激しく燃え尽きようとしている。

 お互いを認めつつ、思いやりながらも、ぶつかり合う信念と個性。意表をつく展開と、丁寧な心理描写。ひとことで語るなら、とってもユニークな小説です。
 ええっ?と思わされることも多い急展開と、そのなかで問い掛けられる『正義』とは?

 何が正しく、なにが間違いなのかを決めつけることなく、別々の個性を通して表現する本作。作者は最後の最後まで読者に問いかけます。

 その正義、本当に正しいのか?と。


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