正義の味方と僕 改稿版
大臣
プロローグ
私立学校法人三月学園で、同学園の生徒
———ある新聞記事より抜粋
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私は、人生に疲れてしまいました
大変親不孝ですが、もう無理です。申し訳ありません。
遺骨は海にでも撒まいてください。
本当に、申し訳ありません。
———遺書より抜粋
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真っ暗な部屋に明かりがともる。日付こそ変わったが、あたりはまだ暗いから、当然といえば当然だ。
部屋の明かりをつけた中学生ほどの男子は、新聞紙や、筆箱が置かれている机に向かった、スタンドの明かりをつける。そして机の
時刻は午前三時だが、夏だからかそこまで寒くはない。それでも、一般的な中学生はまだ寝ているはずだ。
でも彼はこの時間に起きた、明確な意思で。
そして彼は、こんなことを書いていた。
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この本は読まれることを考えていない。いわば日記帳みたいなものだ。
いや、手紙と言った方が正しいかもしれない。そう、これはたった一人に宛てたものだ。
ああ、そうだ、偶然にもこれを読む人に。
前述の通りこれは一人にあてたものだ。だからときおり、語り口調がおかしくなると思う。でも、気にせず読んでくれ。気になるなら閉じてくださって構わない。
せめて悲しみと共に、この話を語ろう。
どうやったとしても悲劇が混じるこの話は、やはり正義の味方の話とするしかない。
まずは君の話をしよう。星川響の話を。
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