「グラン・ブルー」に憧れて

ストーリーの構成が素晴らしくて、どんどん引き込まれました。
沖縄には行ったことがなかったのですが、沖縄の海の透き通るような情景の描写が幻想的で、主人公の心情と交互に描かれていて本当に美しく、心が揺さぶられました。そしてウミガメの登場・・・可愛らしく、心温まるお話でした。ぜひ読んでください！

　主人公の加代が、彼との関係に行き詰まり、その先に進めない葛藤と、まだ見ぬ深海のその先にたどり着けない自分の限界に対する苦悩。
それらを海亀が助け、導いてくれたのですね。
　人生には、奇跡が存在するものだと思います。ただの偶然とは思えない不思議な出来事が、必然であるかのように背中を押してくれる。そんな説得力のあるロマンティックなストーリーでした。

拝読させて頂きました。
情景描写が素晴らしく、海の透明感や沖縄の雰囲気が伝わってきました。
そして何より、お洒落な言葉選び。大人の女性というテーマにぴったりです。
また、苗字の軽い伏線も印象的で、感心しました。

このお話は加代の繊細な気持ちの変化に重きを置いていると思います。
三人称視点より、一人称視点での物語進行の方が、もっと緻密な心理描写や心の変化を描けて、感情移入しやすいです。
三人称視点は「主人公の目に見えないものを描く」技法ですが、こちらのストーリーの場合は「主人公が海の青さに圧倒されたり、序盤からの心の変化がある」ストーリーです。（）描きは、一気にライトな印象となる為、心を読ま…続きを読む