いわゆる光脱毛について

前回はレーザー脱毛、すなわち、「黒い色素のところに熱を発生するレーザー光によって毛根を焼く」という脱毛についてお話ししました。

レーザー脱毛は、現在までに主流になっている手軽な脱毛方式です。


しかーし。

レーザー脱毛という主流に対抗して、結構前から虎視眈々と下克上を狙っている勢力が存在します。

それは。


「光脱毛」


これは、エステでよくあるやつです。

エステはクリニックと違って「診療所」ではないので、常駐する医者がいなくともかまいません。

つまり、ヤケドが発生する可能性がちょっとはあるレーザー脱毛は、法律上行うことはできません。

そのため、光脱毛という、原理上ほぼヤケドの心配がないというふれこみの方式で脱毛処置を行っています。


光脱毛とは、どんな方式かといいますと……。



≪50〜60度くらいの低温で、毛根の発毛中枢(バルジ)を狙う≫


→バルジは、毛根の部分の比較的上の方に位置する「毛を生やす指令を出す場所」と考えられています。

タンパク質は55度くらいの温度で変成し始めますから、バルジは機能は損なわれて脱毛効果が得られます。

より低温で安全というわけです。


(レーザー脱毛では、数千万分の1秒という短時間に数百度の熱を毛根全体に発生させ、毛根の底に位置する発毛点(毛母細胞)を焼きます)


また、レーザー脱毛では、しっかり大きな毛根に成長した時期でないと焼くことは出来ませんでしたが、光脱毛ではあまり成長していない毛根でも(産毛に近い毛根でも)わりと効果が期待できます。



しかーし。


しっかり55度を発生させると、しっかりタンパク変性するわけです。

タンパク変性というのは、すなわち組織への熱ダメージ=熱傷です。


ですから、光脱毛といえど、短時間パルスによって、なんとなく軽く変成させる程度の照射を何度も繰り返さなければなりません。


逆にいえば、しっかり効果を出すには、やはりレーザー脱毛と同じくらいのリスクを考えないといけないのです。


でも、リスクを抑えた低出力でもある程度の脱毛効果を発揮できるので、エステにおいては光脱毛は引っ張りダコの機械です。


わるくないと、わたしも思います。

けれど、光脱毛で十分な効果を体験するかたもいれば、全然ダメでレーザーに移行するかたも少なくありません。


最初は光脱毛で、だめならレーザーで、というのがいいかもですが、最初からレーザーにしていれば出費は抑えられた、というケースになるかならないかは、神のみぞ知る、ということで……。





つづく??

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エッセイ:医療の雑ネタ(怒りの豆知識。笑) 瀬夏ジュン @repurcussions4life

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