ヤバイ映像が見れる部屋9p
大丈夫だ。
これは作り物なのだから、罪悪感なんか抱かなくてもいい。
彼は、そう自分に言い聞かせてテープを鑑賞していった。
静かな夜。
古びたアパートの一室で流れて行く、人が死んでいく光景。
女の死は、死から生へと巻き戻っていく。
百を超えるビデオテープに、少しずつ女の死と生が映し出される。
彼は黙ってそれを見続けた。
女の着ているワンピースの赤が眩しい。
女が僅かに動いている。
ピクリと指先が動き、それを最後に女の体はダラリとして動かなくなる。
今、死んだ。
彼女は死んだのだ。
ビデオテープの残りはまだある。
彼は口の中に溢れている唾をゴクリと飲み込んだ。
映像が終り、黒いテレビ画面を見つめながら、彼の頭にあるのは残りのテープの事。
一体、残りのテープにはどんな映像が収められているんだろう。
彼の好奇心は最高潮だった。
彼の視線がビデオテープが収まった棚に向かった、その時。
ガタッ
音がした。
彼はビクリとして動きを止める。
※事故物件 円間 @tomoko4649
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