巡りゆく水を巡る大冒険

 姫と戦士が出会い、謀略に蝕まれた国の命運をかけた冒険と戦いに身を投じる……これぞ少年向け王道ファンタジー、ですね。
 出会いと別れ、戦いが息つく間もなく次々と起こり、次はどんな人が現れ、誰と別れを告げ、どんな戦いが起こるのか。そんなハラハラで読み進めました。ステラの精神的な成長が表れているのもいいし、途中から出てきたのに存在感のあるおっさんずもかっこいいですね。強いし! ホントに端から端まで少年向けです。
 あと、所々で神話や伝説絡みの名前が出てくるのもツボでした。

 個人的には、推測でしか語られることのなかった、ネヴァン商会がどんな目的で、どのようにして生まれたのかも語られたら、物語にもっと厚みが加わるんだろうなあと思います。ステラたちの視点では難しいでしょうから、スピンオフ的な独立した物語じゃないと無理だと思いますが……。