生きることを諦めた少女、真尋のもとを訪れたのは、死神。
「はじめまして。僕は死神です――」
そんな静かな衝撃を与えてはじまる本作。
愛おしく、切なく、どうしようもなく温かな読み応えのある作品でした。
ヒロイン・真尋の命が尽きるその時まで寄り添う死神の彼……その正体が分かればもう彼らの幸せを願わずにはいられないでしょう。
病気×死×ラブストーリーの組み合わせはずるいです。泣けてしまう。
読み進めるうちに2人がどうなってしまうのか目が離せなくなっていました。
読んで損はありません。
桜咲く春の日にひなたで本を広げて読みたいですね。ハードカバーでもソフトカバーでも文庫でも。とにかく本で読ませてください。
桜と死神、という印象深いコントラストを背景に、寿命が迫る少女を描いた物語。
病気の自分について「家族の迷惑」としか感じられなかった少女は、死神からの余命宣告にも動じなかった。
むしろ「はやくあちらに行きたい」と言う。
それから彼女の寿命まで、死神は少女に寄り添い続ける。その二人の生活が、少女を段々と明るく変えていくのだけれど、もちろん寿命は迫っていて……。
決して報われない恋なのだけれど、それでも読者が物語の最後に流す涙は、あたたかい色をしているはずです。
切ないけれどほっこりする。そんな恋愛物語をお好みの方にぜひオススメします。