エピローグ

 ピーター・パン。


 ネバーランドに暮らす、永遠の少年。


 あいつの名を知る者は、あこがれを交えてやつを呼ぶ。フルネームや「ピーター」と名前でな。おそらく、やつを名字で呼ぶのはおれだけだ。なぜならおれは、あいつを心の底からきらっているからだ。憎んでいると言っていい。


 おれがあいつの命をつけ狙っていても不思議はないだろう?

 あいつはおれの右手をワニに食わせた。あいつはおれの邪魔ばかりする。


 なに、それはおれが海賊だから仕方ないって? そうかもな。


 だが、考えてみたことはあるか? どうしてやつの仲間には子どもしかいないのか。なぜ、あいつは妖精の粉がなくても飛べるのか。どうして、やつはいつまでも子どものままなのか。


 おれはくそ生意気なガキはきらいだ。

 大人をわけもなくきらうガキもきらいだ。


「子どもは最高」? バカ言うな。大人こそ最高だ。


 もしもあのピーター・パンに出会っても、インチキくさいガキの戯れ言には付き合わないほうがいい。


 ネバーランドに行って、子どものまま生きるだって? あのガキは年を重ねることさえできない腰抜けだぞ? そんなやつを信用していいわけがないだろう?


 おれはいつか必ず、あのパンとかいうガキを殺してやる。


 そうしなけりゃいけないからだ。

 そうしなければ終わらないからだ。


 おれの名はフック。

 約束は守る男だ。

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キャプテン・フック みりあむ @Miryam

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