Shape of goodbye

実に何年振りになるだろうか。私は、彼の元を訪れていた。


生い茂ったイトスギの葉が、爽やかな風に揺られ、隙間から入り込んでくる太陽の光がチカチカとして眩しい。


あなたの棺を覆っていた茶色は、いつの間にか青色に入れ替わっていて、生命の力強さを否が応でも感じさせられる。


あなたが地中奥深く、私の手が届かない所まで潜り込んでしまった後、あなたは、生き返ることも、化けて出ることも、私の夢枕に立つこともしてくれなかった。


気付けば、あの日真っ白だった墓石も劣化し、赤茶色に変色してしまっている。石は、私に話しかけてくれない。


「また逢えるさ。」


あなたが最期に放った言葉、私の頭の中をぐるぐると廻り、浮いたり沈んだりしている言葉、付かず離れず私に付き纏う亡霊。


今日は浮かび上がってくる日のようだ。


この言葉は果たされない、果たすことなどできるはずもない、あなたは、死んでしまったのだから。


あなたの無責任な優しさに振り回されるのは、もう止めにしよう。


鮮やかな花束に彩られ、気持ち悪いほど華やかになった墓前に、タバコをポンと置く。




「私にはそれ、もう要らないから。」

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How to say goodbye @syumi_bot

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