第4話

 そしてイチジョウさんの言う通りにした僕は、もう悪夢に悩まされることは無くなったのだった。


 イチジョウさんは相変わらず毎日会社で掃除のおばちゃんとして毎日会社中をピカピカに磨いてくれている。

しかし、僕はある時目撃してしまった。通りすがりに社長がイチジョウさんにゆったりと会釈ををするのを。


僕はハッとした。


(そういえば、うちの会社、幽霊話を聞いたことがない)


そして、僕はイチジョウさんが一人でいる時を見計らって尋ねてみた。


「あの、イチジョウさん、もしかしてあなたが会社中の…?」


するとイチジョウさんは愛嬌たっぷりにウインクして言った。


「そりゃそうよ。だって私はこの会社の清掃員だからね」


(了)

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引越し祝い 青山天音 @amane2018

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