生き生きとした登場人物達と臨場感のある会話シーン

 あやかさんと結婚したリュウは、妖結晶の真贋を見抜く能力がある事が分かり、その特技を活かして彼女の会社の中で重用されていくようになる。しかしそんな中、新たな事件が起きて――

 前作に当たる同作者の『17センチ3ミリ』の続編になりますので、この作品単体では読まずに、まずは『17センチ3ミリ』から読む事をおすすめします。



 この作品、というよりこの作者さんの特徴として、キャラの『会話』シーンが独特で凄くリアルです。

 基本的に小説という物は1人の作者の頭の中だけで作られているものなので、どうしても会話が決められた台本のようにスムーズかつ、無駄なく進んでしまう傾向にあります。

 しかし現実の人の会話というのは、色々脱線したり、相手の意図が理解できなかったり、思考が追いつかずに咄嗟に変な事を言ってしまったりと、色々と蛇行する物のはずです。

 そういう意味で当作品も含めてこの作者さんの書く会話シーンは、凄く臨場感があり、まるで本当に現実世界で喋っている人達を見ているようで、楽しい気持ちになります。


 是非この作者さんの、独特の作風とテンポにハマってみて下さい。
 オススメです。