【冲方丁賞】マルドゥック・シリーズ × ブロックチェーン
マルドゥック・シリーズ×ブロックチェーン!
★第2回冲方塾、冲方丁賞 受賞作品★
中央集権と分散社会の衝突、その裏にひそむ各人の思惑や欲望をイースターズ・オフィスのバックアップ<バックスターズ・オフィス>が炙り出す!
【プロローグ】
遠海の果てでモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行創業から600年を数えた頃、大陸国家の実験都市ザルバニトゥはトラストレス――信頼する第三者を必要としない信頼のプロトコル――によって成り立っていた。そこに生きる人々は残寿命×好感度によるPoSと運動量×思考量で算出するPoWによって己の価値を示し、国家や銀行の衰退したその分散社会を回していた。
【作品紹介】
――対象者を探し出し、保護してくれ。
連邦国家の天才「ドクター・イースター」に比肩する大陸国家の雄「ドクター・マイニング」、彼の運営する<バックスターズ・オフィス>に、ある日、奇異な依頼が舞い込む。
保護対象は3名。1人は年齢・性別のみならず、特定の個人か団体かも不明。残り2人は分散社会の象徴とも言えるトラスト・インフルエンサー。
オフィスのエンハンサー「ビット」は疑問を抱きつつも就いた任務の最中、ナブチェーン(物語内のブロックチェーンの呼称)がもたらしたトラストレスな世界に渦巻く陰謀に巻き込まれ、そこで己の存在意義、己の価値を問われる。