第2話 マラの乱、人の交 中編

「我々は大魔羅皇国軍!この基地を返してもらいに来た!!」


 そう叫び、基地内のディッ国兵士達に予告なしの顔射したことを宣言する尾奈三慰。


 襲撃前は前かがみになって股間のテント状態を隠す必要があったが、敷地の中に入ってさえしまえば隠す必要は無い。寧ろ相手の混乱を狙う為にジッパーを開けてボロンさせたほうが良い場合もある。

 今回のケースがそうだ。

『基地を返してもらいに来た』とは言ったが、奪還が本来の目的では無い。

 小規模で構わないのでディッ国の基地に打撃を与えたという事実が欲しいだけである。

 大魔羅皇国の軍人は精感諸島をすんなりと手放したわけではなく、何時でも痴漢しに戻ってくるぞと、ディッ国に知らしめたいのだ。

 そもそもこの人数では竿が足らないため、短時間に全てを掘り尽くすのは無理な話だ。


「イケ、イケ!目標を破壊したらそのまま駆けヌけろ!!」


 無線装置、対空レーダー、戦車、倉庫、ハッテン場と、それぞれが定めた目標物へ散開する隊員達。

 この襲撃は早漏が命だ。基地内の重要箇所をソフトタッチで愛撫し、警備の兵が占領を警戒して篭城を決め込んだ所でさっさと逃げるという肩透かしが狙いである。

 そのため兵達の装備は軽い物が多く、二回戦や三回戦を主なう精力は用意していない。

 皆の溜め込んだうっふんによって作戦を行う事を余儀なくされた尾奈三慰による、戦闘を最小限にする事で負傷者を出来るだけ減らそうという苦肉の策だ。


 隊員達の散開を横目に、尾奈三慰も将官用のプレイルームを目標として宿舎に向けて駆ける。後ろには四戸史曹長と暗号解読班に配備されていた大守喜掘斗だいしゅきほるど少尉が連結電車の様に続く。

 尾奈三慰はこの襲撃をただの嫌がらせだけでは終わらせず、後の事を考えてディッ国の暗号解読を試みようとしているのだ。

 もろちん、そうそう上手く暗号文が置いてある可能性は低いが、それでも階級の高い者のプレイルームならばなんらかの情報が手に入るだろうという算段だ。


「オゥシット!シーハー!!」

「イェス!イェスイェスイェス!!ンムーーーー!!!!」

「オーマイ!オマイガッ!!オマイガッ!!


 宿舎の裏手を走っている最中、中からディッ国の兵達の慌しい喘ぎ声が聞こえてくる。

 先ほど自分が挙げた声明に反応しての事だろうが、どうやら折角のスピーチを聞いてマイサンをイキリ勃たせていた所へ邪魔が入ったのが許せないらしく、口々に隠語を叫びながらゲイ撃の準備をしているようだ。

 しかし、既にここまで来てしまっている自分達を止めるには遅い。今更怖いと言われても挿入待った無しだ。


「三慰!」

「応!」


 四戸史曹長が宿舎の壁に背中を付けて駅弁の体勢になり、手を組んで尾奈三慰に声をかける。

 尾奈三慰は走る速度を落とさぬまま四戸史曹長の組んだ手に足を乗せ、四戸史曹長が強靭な腰の振り利用して尾奈三慰を持ち上げると同時に跳躍する。

 そして勢いのまま宿舎二階の窓ガラスに体当たりし、ガラスを撒き散らしながら個室内へと飛び込んだ。


「ホ!ホワッツ!マラニーズピーポー!!?」

「くっ、動くな!!出来れば殺したくない!!」


 突入した勢いを花びら一回転で殺し、部屋の中に居たディッ国の司令官へサーベルを向ける尾奈三慰。

 尾奈三慰の見抜き通り、宿舎の一番豪華なプレイルームのある部屋が司令官の部屋だったのだが、まさか司令官が兵士達とは別で自室で独勃記念のスピーチを聞いているとは思わなかった。

 普通ならば国家元首のスピーチを講堂のような場所で全員で拝聴するのだろうが、こんな所にお供も付けずに自室で一人で慰るとは。

 予定では部屋を物色してから脱出するはずだったが、これは想定外だ。ここで司令官を傷付けてしまえばディッ国もゲリラの掃討に本腰を入れて乗り出してくるだろう。そうなれば自分達だけでなく、この島の住民にも被害が及んでしまう。


「オーケー!オーケー!ワタシウゴカナーイ!ワタシウゴカナーイ!」


 尾奈三慰が挿入中にゴムが破れたかのようなアクシデントに思考を張り巡らせている中、その混乱が伝わったのか司令官は急にやらしい笑顔になり、両腕を上げてコロンビアしながらゆっくりと尾奈三慰に近寄る。

 尾奈三慰はサーベルの切っ先を司令官の股間に向けるが、その手は迷いからか震えている。


「動くなと言った!ドントムーヴ!!」

「オーケーオーケー!ウゴカナーイ!スマター、スキヤキー、テンプーラ!」


 尾奈三慰が中々射精しないのを見たディッ国司令官は急に真顔になると、その長くて太くて屈強で逞しい剛直のような脚を振り上げ、尾奈三慰の持つサーベルの柄を右手ごと蹴り上げる。


「ニョタイモリ!ワカメザケ!チョンマゲ!!」

「ぐうぅ!!」


 サーベル持つ右手を蹴られた衝撃で腕だけでなく体が浮き上がり、尾奈三慰は大魔羅皇国人とディッ国人の体格の違いを痛感する。

 この司令官は自分より十以上年上だろうが背の高さや腕や脚の太さが自分と段違いであり、組み合ったら確実に自分がネコに回るだろう。他国から『ディッ国の軍人はモンスターコックだ』と揶揄されているだけはある。

 

「くそっ!」


 蹴られた衝撃を耐えるのではなく、ご褒美を貰った豚のように受け入れて後ろへ跳ぶ尾奈三慰。

 そして素早く左手で背負ってた突撃銃をベルトごと鳴門(※四十八手の一つ)させ、逆さまの不恰好な形だが腰だめに構えて銃口を正面に向ける。


「動くな!!撃つぞ!!」

「フンフーン、ティーニィティーニィ」


 しかし、ディッ国司令官は尾奈三慰が責任を取る事を恐れているのが分かっているのか、又は一発的中しても構わないと思っているのか、向けられた銃口を物ともせずに追撃を図ろうと突っ込んでくる。

 尾奈三慰は突撃してくるディッ国司令官を見て、舌打ちをしながら突撃銃から手を離して横に転がるように避ける。

 しかし、


「ゲッダウ~ン」

「離せ!離せっ!」


 転がりきる前に足首を掴まれてしまい、そのまま上に跨られてマウントポジションを取られてしまう。

 尾奈三慰は体を捩って抜け出そうとするが、ディッ国司令官の又の締まりはとても強い。おもわず昇天してしまいそうなほどに強烈だ。


「クソッ!このっ!離れろ!!このっ!!」

「ヴェリィキュ~トボ~ィ、ベェディィバァィ…」


 ディッ国司令官はうっとりとした目と熱い吐息を出しながら尾奈三慰の腕を押さえつけ、獲物を前にした肉食獣のようにバリバリにタチる。

 尾奈三慰はここで囚われの身になる事だけは絶対に避けなければいけないと必死に体を捩るが、ディッ国司令官は剛直ながらも柔軟性に富んだ自身を巧みに使って離さない。

 このまま時間が過ぎれば延長料金を支払うまでも無く怖いおにいさん達がやってきて連行されてしまうだろう。注意されていたというのに強引な手段を使用したのはこちらであるので違約金はしっかりと払わないといけない。身分証も奪われる。


「ンッフゥ~、ウタマロアジワッテェ~アジアワセテ~レッツドッキンッ!!!」

「何をする!やめ、止めろ!!止めろっ!!!」

「ドッキン!ドッキンドッキンドッキン!!ドッキウッ!?」


 叫ぶ尾奈三慰の口を口で黙らせようとゆっくりと顔を近づけてきたディッ国司令官は変な叫び声を挙げ、急に力を失ってぐんにょりと尾奈三慰に覆い被さる。


「大丈夫ですか!?尾奈三慰!!」

 

 大守喜少尉だ。

 司令官の部屋へと挿入した尾奈三慰が中々出てくれない事とギシギシと鳴る軋み音を不審に思い、四戸史曹長が大守喜少尉にも司令官の部屋へ挿入して二輪車する事を提案したのだ。

 そして大守喜少尉が尾奈三慰に騎乗していたディッ国司令官を後から襲い、絶頂させた。


「助かった少尉。危ないところだった」

「ええ、個人的には私も楽しみたいところでしたが。今はその時間はありません」


 大守喜少尉はそそくさと手馴れた様子でディッ国司令官のズボンとパンツを脱がせ、そのズボンとズボンに付いていたベルトでディッ国司令官の腕と足を縛る。

 尾奈三慰は勃ち上がるとすぐに部屋の机の物色を始め、持ち去りやすそうな物を探す。出来れば暗号文書。それでなくても指令書等は持ち去りたい。


デーースマラニーーーズ!!!

ファッキンミー!!カモーン!!

エンジョイアンエキサイティーン!!!

パンッ!!パンッ!!パンッ!!パンッ!!


 外から聞こえてくるディッ国兵士達の喘ぎ声と銃声。

 ディッ国司令官の相手に時間を使いすぎたのかもしれない。延長料金を払えない尾奈三慰は適当に卓上の書類を掴んで無造作にポケットへ入れ、ねちっこくディッ国司令官の身体検査をしている大守喜少尉に「潮時だ」と声をかける。

 大守喜少尉は名残惜しそうにディッ国司令官のディッ国司令官を下から ホロン と一撫でし、尾奈三慰の尻に続くように自分達が挿入して破った窓へと向かった。


「ご無事でしたか、三慰」

「もう少しで入り婿を解消しなくてはならないところだったが大丈夫だ」

「? ああ、残される身は辛いですからね」


 さっと宿舎の二階から降り、心配して声をぶっかけてくれた四戸史曹長と短く会話する尾奈三慰。ここでほっと一息賢者タイムになるわけには行かない。ゴムを外して捨てるまでがワンプレイだ。

 股、オキニを指名する為に地雷嬢からの囮になってくれた隊員達が無事に逃げることが出来たのかの確認もしなくてはならない。ただ一人で果てるだけではオナニーである。

 

「曹長、発破の準備を」

「既に用意できております。後は仕掛ける場所だけです」


 流石は四戸史曹長。在籍年数が長いだけあってこちらが言わずとも次に行うプレイの察しが付いている。

 次にやりたい事を一から説明するのは時間の無駄であり、残りのプレイ時間の余裕に繋がる。

 尾奈三慰と四戸史曹長の二人は目配せだけで宿舎の外にある駐車エリアのゲートを爆破場所にすると決め、ディッ国司令官のパンツを口に含む大守喜少尉を引き連れて物音を立てないように宿舎の表側へと回る。

 ゲートを派手に爆破させる事でディッ国兵士達を混乱させ、その隙に仲間を逃がそうという魂胆だ。ついでに車やバイク等の移動手段の破壊も行いたい。


「(全員無事でいてくれ。撤退が最優先だぞ…)」


 兵は損耗品である。そう考えて作戦にぶっかけを強要するせいしをかける上官が多い中で、この尾奈三慰の考え方は尿に糖分が溶けているだのろう。

 しかし、これが尾奈三慰の味なのだ。果物を食べていれば甘くなるらしい。





 そのまま誰とも会わず宿舎に正上位した三人。

 幸いゲート付近にもディッ国兵士が居らず、トラックやバイクも何台か止まっていた。

 尾奈三慰は四戸史曹長に金網と有刺鉄線で作られたゲートの手前側に爆薬を仕掛けるよう指示し、自分と大守喜少尉はトラックやバイクの挿入口に異物挿入して破壊工作を行う。ついでに一台だけトラックを拝借していく予定だ。


「少尉、こちらは終わった。そっちはどうだ?」

「少々お待ちを、後はこいつに ウッ フゥ、これで ハァハァ 大丈夫です フゥハァ」


 一目では何かされているとは分からず、実際に動かそうとする分かるという絶妙な野外プレイを終え、一台のトラックの前に集まる二人。

 そこに爆薬をしかけた四戸史曹長も集まる。後はトラックで脱出をしてから適当な場所で爆破を行うだけである。これで今回の襲撃はフィニッシュとしよう。


 そう、尾奈三慰は考えていた。そして、それが最悪の事態を産んだのだ。



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ちんこウォー @dekai3

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