第2話 マラの乱、人の交 前編
「ハッハッハッハッ…」
勃歴114545年7月4日。精感諸島で行われたディッ国の独勃記念日の式典の数分後。
精感諸島の東端にあるハプバー島の剛毛熱帯雨林を、数名の兵士が息を荒げながらぶっ駆けている。
『ちぃ~~~んちぃ~~~~~ん!!!』ドドドドドドドドド
その後ろには戦車級ちんちんがぶるんぶるんとそのカリ首を激しく揺らしながら追いかけており、彼らとの差は50mも無い。
純粋な早さだけならば戦車級ちんちんの方が圧倒的早漏なのだが、剛毛熱帯雨林に生えるもじゃっとした木々がその身に絡みついて足止めをするため、兵士達との距離は詰まらずに維持されている。
股、兵士達は木々をブチブチとなぎ倒す戦車級ちんちんと一定の距離を保ちつつ、わざと焦らすようなペッティングをしている様にも見える。
「焦るな、このまま誘導すればいい。疲れが出てきたものは先に行って横道にそれろ」
最後尾を走る者がそう言い、自らちんちんを惹きつけるために走る速度を少し落とした。
戦車級ちんちんはその思惑に気付いているのかいないのか、ぶるんぶるんとカリ首を大きく揺らしてそれを追いかけた。
ランドソープ島のディッ国領事館で起きたちんちん化現象は領事館内のみではなく、同時刻に精感諸島内のほぼ全ての場所で発精していた。
『ほぼ』というのは銃器や兵器の無い置き屋ではちんちん化現象が観測されていないからであり、同じちょんの間でも弾薬保管庫や待機室ではノースタンディングであるのにも関わらず、宿舎ではスタンディングオペレーションな事もあったからである。
この時はまだちんちん化現象の発精条件が不明であり、ディッ国の兵士も大魔羅皇国の兵士も大半が初めてで穴の位置が分からない時のように混乱をしていた。
特にここ、ハプバー島でのちんちん化現象は最も酷い瞬間に発精し、大乱交に陥った。
ハプバー島は精感諸島の中でも一番小さいシマであり、大魔羅皇国の本国に近い最西端に位置するエリアである。
現在のハプバー島には大魔羅営司令室が精感諸島の破棄を命じたのにも関わらずディッ国へ一皮剥いてやろうとゲリラ活動を行っている兵士達が残っており、本日も早朝からディッ国に占領された軍事基地へ襲撃をかけていたのだ。
ディッ国が使用している軍事基地や道路は元が大魔羅皇国の前立腺基地や補給線だった物をそのまま使っているため、大魔羅皇国の兵士達にとっては勝手知ったるセフレの家といった所で、要所要所の警備がどうしてもうすうすになってしまう場所を熟知している。
その中でも特に警備を配置するのが難しいハプバー島の軍事基地の裏手にあるソリ勃った崖の上に、
「曹長、ディッ国の式典が始まるのは何時からだ」
「
「ああ、隊員達に最後の装備の点検をするように伝えてくれ」
「ァハァン!」
双眼鏡で基地の様子を見ながら四戸史曹長に指示を出す尾奈三慰。
彼はランドソープ島の基地に配備されていた大魔羅皇国第1919師団の生き残りであり、ディッ国に苦汁を舐めさせられた一人だ。
本来ならば上からの撤退命令を下に守らせなくては成らない立場にあるのだが、その悔しさから自身と同じくディッ国に恨みを持つ者を率いて独自に活動をしている。
大魔羅皇国本国はゲリラ活動を行っている尾奈三慰らの事を把握しているが、陽性の妊娠検査薬を突きつけられた芸能人のように建前上では彼らの事を認知をしていない。
尾奈三慰はこれまでに数度のディッ国の輸送トラックを押し倒す事を成功させているが、基地への強引なアプローチはこれが初体験だ。
輸送トラックならば立ちんぼが居たとしても対した数は無く、更には挿入しなくても道に罠を仕掛けるだけで被害を与えることが出来る。
尾奈三慰はディッ国への恨みで膀胱をパンパンにしながらも状況を冷戦に判断する事が出来、これまでのお漏らしプレイの被害をとても少なく済ませていたのだ。
しかし、ディッ国に恨みを持つ隊員達は輸送トラックをドラゴンカーセックスするだけでは物足らず、直接ファックする事を望んでいた。
今回の基地襲撃はそんなディッ国をヌッコヌッコしたい兵達の欲望を抑え切れなかった事と、ディッ国の独勃記念日の式典に参加するコスルトデリュー大統領の警備で人員も装備も大幅にランドソープ島に送られ、基地の警備が大幅にうすうす0.02mmになるという情報を掴んだために立案されたのだ。
尾奈三慰は双眼鏡から目を離し、首だけ回して後背位に控える隊員達へと振り返る。
彼等は尾奈三慰と同じく元の部隊をディッ国の兵達によってリョナられた者達であり、中にはくっ殺状態から脱走してきた者も居る。
ここに居る全員が大魔羅皇国に帰る事よりもディッ国にリバる事を望んでいて、兵種に偏りはあるが勃起力も高い。
尾奈三慰はそれを頼もしいと思いながらも、命をぶっ懸ける事まではして欲しくないとも思っていた。
どれだけ辱めを受けようとも生きて情報を持ち帰る。それこそが大魔羅皇国の為になるのだと考えているからだ。
命とは無限にある物ではなく有限であり、毎日一億もの命を無駄にしている男こそその事を理解するべきだと思っている。
彼がゲリラ活動を指揮しているのも隊員達の命をテッシュに無駄撃ちさせない為な部分が多く、単に悔しさで鈴口を濡らしているだけではない。
「あんまり思い詰めないほうがよろしいですよ、三慰」
表情が硬くなっていた尾奈三慰に、隊員達の装備の点検を終えさせた四戸史曹長が声をかける。
「なあに、どうせ性交しても失敗しても連中への嫌がらせにはなりますよ」
四戸史曹長は笑いながらそう言い、尾奈三慰の緊張をオイルマッサージする。
四戸史曹長はディッ国との性争が激化する前からの古参兵であり、このような状況でも賢者タイムのように対処の出来る歴戦の兵だ。
尾奈三慰の元に四戸史曹長が就いたのはゲリラ活動を始めてからの短い期間だが、そのベテラン女優同然の経験豊富な部分が尾奈三慰の助けとなっていた。
そう、本来ならばこれは単なる嫌がらせでしかないのだ。
気に入らない客が来たのでタイマーを10分短くセットするとか、服を脱ぐ前のトークを長時間するとか、そんな些細な嫌がらせなのだ。
式典のために兵員や装備が少なくなっている今ならば、例え避妊に失敗したとしても的中する確率は低いだろう。
尾奈三慰は四戸史曹長の言葉に肩の力を緩め、準備の整った隊員達を見る。
ここに居るのは自身を含めて十三名。
それぞれ元隊も違う上に兵科の偏りもあるが、団ケツ力は高い。
本音を言えば襲撃するよりも基地の周りに罠を仕掛ける程度の子供の可愛らしい自慰に収めたいが、風俗の待合室に居る大学生のように興奮している彼らはそれだけでは満足しないだろう。
それに、ここまで来てしまっているのだ。今更チェンジは効かない。
尾奈三慰は実家でデリヘルを呼ぶ時以来の決心をし、号令をかける。
「総員、着剣」
尾奈三慰の声に十二人の隊員が突撃銃に銃剣を付ける。
尾奈三慰はそれを確認すると崖下の基地へと振り返り、スピーチの開始時間を計る四戸史曹長へ視線だけを向ける。
「時間まで残り十秒。八、七、六、五、四、三…」
尾奈三慰はそれを最後まで聞かず、抜いたサーベルで崖下の基地を挿し示した。
「行くぞ、突撃!!」
『『突撃!!』』
基地に残るディッ国の兵士達に聞こえないように、それでいても剛直に声を挙げ、急勾配の崖をクリームパイのように落下同然に滑り降りる。
一物片手に崖を下る姿はかの一ノ谷の戦いの源義経の様であり、正に奇襲である。
古今東西、奇襲というのは数で劣る側が仕掛ける苦肉の策であり、正常位でやり合って勝てるのならば行う必要は無い。
そのため、一度襲撃を始めたのならば相手の体勢が整う前に迅速に事を運ばなくてはならない。
崖を滑り降り、着地と同時に勢いを殺すために前方へ花びら一回転。
そして叫ぶ。
「我々は大魔羅皇国軍!この基地を返してもらいに来た!!」
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