僕が今まで読んだ作品の中で最も繰り返し読んでいる作品です。何回読んでも飽きない。読む度に毎度新たな発見があり、作者の緻密さに驚かされます。伏線の回収も鮮やかですが、如何せん物語が重く長く厚いので、何度も読み込むことでやっと真の意図を発見できる。そしてその都度泣かされました。まだ継承編は完結しておらず物語全体不明点ばかりですが、それらの点と点が今までのように鮮やかに、軽やかに繋がれていくのだろうと思うと、完結が待ち遠しいです。一方で、作者様の持ち味である細やかな描写能力が発揮され、丁寧に丁寧に細部まで描かれたカルマの塔が、最後までその圧倒的な分厚さで我ら読者を蹂躙してくれるでしょうから、そんな素晴らしい作品が完結してしまえば満足感と同時に喪失感に苛まれるのではないかという危惧さえ持ってしまいます。確実に、読者の生活を侵食している作品です。
序盤(といっても全体がかなり長い作品なので当然長い)では、主人公の非道っぷり、狡猾さが際立ち、読む人によっては嫌悪してしまう人も多いかもしれません。しかし、ストーリーが進むに従い主人公の苦悩にも様々な変化が生まれ、ライバル、戦友、そして最愛達によって、内面的な成長を遂げていく主人公ウィリアムの姿は、必ずや読者の胸に響くでしょう。主人公以外のキャラクター達も、全員が全員主役級のような魅力を兼ね備え、それぞれの話だけで一本かけてしまうほど。脇を固めるだけ、なんてキャラクターは一人もおらず、互いが影響しあって力強く道を歩んでいきます。彼らの眩しい生き方についつい、憧れてしまいます。
ハーレム感は全くないけれど、一期主人公二期主人公が共に女性にもてる(一期では故意のスケコマシ+激情家女性からの猛アタック、二期では無意識にたらしこんでるという違いはありますが。)のは、血筋なのかなぁ…
これは自分の命よりも大事な姉が上位の存在に踏みにじられた事から生まれた復讐者の人生が形になった物語だ。
始まりは復讐であった。だけども様々な人達と出会い、世界は醜いがそれだけではないと復讐に燃える獣は知ってしまう。
そのせいで僅かに残っていた良心に死ぬまで苦しむ事になる。そしてその思いは一本の道へと昇華する。その想い、覚悟は自分の幸せさえ捧げて進み続ける。
読者は主人公のその姿に何を抱くのか?
共感か、哀れみか、崇拝か、嘲笑か?
とにかく読んでほしい。そして主人公の終わりまで見届けてくれたら幸いだ。
これは奴隷が王様になる物語。そして最期に何を残すのか?
書籍化記念にレビューを書かせて頂きました。絶対に買おうと思います。頑張って下さい作者様。
魅力的なキャラクター。
重厚感溢れるストーリー。
抜群のセンスで綴られる戦闘シーン。
これらを丁寧に積み重ねた美しい小説です。
圧倒的な努力と緻密さ、そして情熱がなければこんなに素晴らしい小説を書くことはできません。
何人ものキャラクターを同時に動かし、会話の中でそれぞれの個性を引き出す。
適度な間隔で文章に散りばめられた伏線の数々。また、それを鮮やかに回収していく気持ち良さ。
敵の裏の裏の裏まで読み切る策略と一騎打ちの場面でなされるテンポのいい掛け合い。それだけでなくカッコよく決める場面においては、キャラクターの動きを詳細に書くことでその場面を容易に想像させる。
どれも一朝一夕で出来るようなものではありません。
カクヨムにいるのなら是非、一度は読んでみてほしい作品です。
まず最初に、私は賢くないのできっと拙いレビューになると思いますが思ったことを書きなぐります。
私はこの物語を読み生き方の何かを掴んだ気がしました。
主人公は奴隷という人間社会のカースト最下位に位置する場所にいましたが、あるきっかけで上を目指します。主人公は汚いこと、思わず顔をしかめてしまうようなこともたくさんします。彼の道は血と負の感情で溢れているにも関わらず、全てを背負ってただひたすら前を見て進んでいく主人公に強い憧れと畏怖を感じたのは私だけじゃないはず。
Web小説で面白いものは他にもあります。ですが人生の教科書になると思ったのは初めてでした。
まだまだ書き足りないのですがうっかりネタバレしそうなのでここでやめておきます。