そんな…アンパンマンパンが一口かじられるなんて……

みなさんは幼稚園を卒業しましたか?

私は所謂ホイ卒で、こうして初めて幼稚園児たちの生活を垣間見ることになったので、興味津々で本作を拝読しました。

タイトル通りこの小説には幼稚園生の探偵・玲子と怪事件があるわけですが、その小さいながらも重大な事件の描かれ方が本作の見どころです。

楽しみにしていたお昼ご飯を誰かに食べられてしまう、その脅威を大真面目に取り上げて描き切るのは並大抵じゃありません。

作者様の手腕により、事件発生のライブ感から名探偵の玲子ちゃんが場を取り仕切り解決するまで、一連の流れを軽快に描写しつつも情景がパッと浮かぶようなコミカルさで描かれるのは小気味よく、本作を読むことで素敵な時間をすごせました。

アンパンマンパンをかじった犯人とは!?
正義とは何か!?

そんな小さな謎と大きなテーマが同居する、面白い短編小説です。

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