猫おじさんから作者さんのことを知って、題名で気になったものを読んでみました。

とても不思議で、魅力的な文章だと思いました。登場人物の行動に納得できる理由を持たせるのが私はとても苦手なのですが、この作品ではそれが自然に書かれていて、読みやすかったです。

(私は「夢を」も結構好きです)

これは、会社が倒産した中年の男性が三十年前に体験した不思議な物語。

ユイという少女を主軸にして物語が進んでいく。

不思議な物語を短編でサクッと読みたい人たちにオススメの作品です^ ^

思い出の場所を辿る時、人はさまざまな過去を思い出す。
良い思い出も、悪い思い出も、その場所は思い出させる。呼び起こさせる。
しかしそこは死ぬべき場所ではない。
鳥は、生きるために空を飛び、灯台は、呼び戻すために光を放つのだから。

この作品を書いた人はひどいやつだ。甘酸っぱいものが読みたくて、適当な優越感に浸りたくてこの作品を読み始めたというのに、ドロドロと甘酸っぱくもなく、出来についてはむしろ嫉妬を覚えてしまうような作品なのである。
あまりに悔しいので細かな感想は書かない。

情景描写と心理描写がとても丁寧で引き込まれました。不可思議なミステリーを読者して、登場人物として、物語の一部として一気に同調させてくれるまっすぐな巧みさも見ものです。