恋情と友情の間で彼が見出したものとは。

前半での彼女とのシーンと後半での友達とのシーン。短いお話の中で二つに分けられた場面には、それぞれ別の良さがあるように感じました。

「正解にたどり着いたら、二度と恋愛なんてできない気がする」
彼女の心をいくら考えてみても正解なんてわからない主人公が吐露したこの想いには、突き刺さるものがあります。移ろいやすい女心に振り回される少年の葛藤がうまく表現できています。

対して後半のパートでは、友情が恋の傷を癒していくこと、恋のために蔑ろにしていた友情が自分にとって大切だったことを主人公が実感するという、前のパートに対する回答がわかりやすく提示されました。


穂高は主人公に対して友情以上のものを感じているのでは…と匂わせ、主人公もそれを察しているとすら思わせる描写でしたが、それも含めて青春のアンバランスさを強調する作品になっていると思います。

甘々なラブコメよりこういったややビターなもののほうが好きなので、読んでみてよかったです。ありがとうございました。