第130話 最終地点
「おはようさん」
「あ……。」
「どったの?ご飯出来てるから早く食べてね。」
足音もたてずに階段を降りていった。
リビングに行くと、珈琲を飲む父さんがいる。
忍の書物も倉に沢山残ってるし、
その中には、しっかり、
父さんの名前は
母さんの名前は、
当てはまる。
なんで気付かなかったんだろうか。
「母さん!父さん!教えて!もしかして、忍者だったの!?」
「……なぁんだ、やっと気付いたの。あの伝説の影忍ってのは母さんのことだよ。」
父さんは母さんにしか喋らないからただ頷くだけ。
母さんがあの…忍者だったなんて。
まてまて、何年…
「まぁ、ホント、長生きしたよね。才造。」
「確かにな。ワシらの始まりはまだ飛行機や新幹線はなかったな。車も自転車も。馬だったな。」
「あぁ、そうだったね。忍、馬あんま乗らないけどね。ほら、こちとら使っても鳥だし。」
「懐かしいな。」
「ねー。」
うっそぉ、マジで!?
戦国の時代じゃないか!?
え、長生きって…
「まさかずっと死んでない!?」
「あんたの前にも子供いたよ。あんた末っ子ね。今は。」
「今は!?」
「ほら、また、産むかもしんないし。そしたらあんたはお兄ちゃんだけど、えっと、何番目?」
「さぁ?」
「子供死ぬたびに産んでんの?」
「子供が大人になって死んだらね。」
じゃぁ、かなり……
というか、忍の子だったのか……。
夢の内容は、曖昧だけどしっかり母さんが言ってたって覚えてる。
異世界だとか、忍だとか…。
い、異世界…?
母さんと父さんの謎は荷が重すぎて、諦めることにした。
ただ、自慢出来る両親だということだけはわかった。
朝御飯を口に入れる。
母さんの口ずさむ歌を聴きながら。
舞や舞え 鈴の音に…
異世界の二息に最終話は無シ 影宮 @yagami_kagemiya
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