ノストラダムスにおびえ、1999年を迎えたことがある人間なら、一度は想像したり、友人や家族、恋人と一度はこんな思い語りをしたことがあるのではと思う。「明日世界が終わるとしたら、どうしたい?」この物語は終わりがくるかもしれない世界ではなく、すでに終末は訪れ、あとは順番が自分たちにくるのを座して待つばかり。滅んでゆく世界の中で絶望感に襲われるでも恐慌を来たすでもない、かつて問いかけた「終わり」は苦しくも、しかし、問いかけた答えが成就されることで愛しく溶けていく……目頭がじんと熱くなるお話でした。
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