ちいさな夏の景色

少年は夏に冒険するものです
古来からきっとそんなものです
でも、たいがいそんなお話は陽の匂いがするものです
カラッとしてあっけらかんとした、そんな匂いがするものです

ところがこのお話は水の匂いがします
ほんの少し土の混じったような、じっとりとした夏の匂いです
あぁそうか、こんな匂いも夏には確かにあったな、と、思い出すこと必至です

「ぼく」と「彼女」のひと夏の水の匂いを、是非感じてみてください