『→ぱすてるぴんく。』の悠寐ナギ先生による、切なすぎる片思いのお話。

講談社ラノベ文庫から『→ぱすてるぴんく。』を出版してる悠寐ナギ先生。

「ラノベ作家は陰キャである」というステレオタイプがあるけれど、インスタやってたり、大学で仲間とワイワイしたり、そんな様子をtwitterで報告する様子からはリア充要素のオンパレード。
十代で作家デビューした実力といい、文化資本の高さを感じさせるわね。
「実は僕、高校は私立なんですよ」ってカミングアウトされても驚かないわ。

ラノベ界(最近だと特になろう系)に学生作家が多くいる中、悠寐ナギ先生の文章力はその中でも抜きんでてる。
なんていうか、読者に状況を想像させるのが上手いのよね。

「中央後ろから二列目」って具体的な位置を書いたり、「取り急ぎ机に置いた一輪の花」「紅白幕で覆われた体育館」みたいに連体修飾で物や場所を印象付けたりして、一瞬一瞬をカメラで写したかのように記録してってる。

だから一つ一つの出来事がとても印象に残って、ラストに余韻を味わえる。
あたしと年が数歳しか違わないってのに、大した実力だわ。