夢罪

詩一

プロローグ

「夢の本を買って欲しいんだ」


 昼寝をしていた父親を起こして、ノンジは開口一番に言った。

 黄昏に染まる一室で、父親はため息を吐き、呟く。


「そうか、お前ももうそんな歳か」


 彼が夢の本の存在を知ったのは、ほんの数時間前の事だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る