成長するとは、経験という出来事を絶えず消しては生み出すものか。

壁一面に描かれた、壮大な絵を前にする。壁一面に描かれた力作。
何する? 消すの? なぜ?
それが物語りのプロローグ。
消すのに使うはスポンジと石鹸。いつしか、それらの会話も混じっていく。
たん、たん、たん。
さあ、三行のリズムで繰り返される物語のテンポに、はまってみてください。
背景描写が見事に心理描写となって、擬人化効果で物語の核を盛り上げています。
見習うべきことが多すぎて、何度も繰り返し読んでしまう。
読めば読むほど味が出てくる。皆さま、そんな物語はいかがですか?