少女を支える机の物語

 主人公はまさかの机。高さなどそれぞれの特徴から、一つひとつ名前があります。
 席替えといえば、どの席になるかなとドキドキしていたものですが、まさか机の方もそうだったとは。たしかに使われる机だって、美男美女がいいもんなと思わず納得してしまいましたw
 さて、話の主軸となる机と少女の物語ですが当然言葉の違う2人が言葉を交わすことはありません。言葉ではなく行動で示す主人公の気持ちは、ほかの机とのやりとりで主に語られていきます。一方少女は机に向かって独り語られるのですが、その言葉は静かで、ときに悲しく、ときにとても優しいもの。その光景はどこか胸がほっこりします。
 最終幕、当たり前の最期を迎えようとする机に訪れる奇跡とその後の2人の展開に期待してください。

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