所謂トレーディングカードゲームのアニメのようなホビーアニメ系作品を、ライトノベル執筆でやるという発想が空前絶後で唯一無二。
ストーリーは王道熱血、そこに執筆者が日々思うだろう事がぎっしりと乗っているのですから、面白くない筈が無い。
必然的に大量に生み出される劇中劇達も、観てみたいと思わせる物が沢山。
……しかしあまり言い過ぎるのもアレですが、そもそも小説というものは、本来は心を込めて書いたものならば皆独立した唯一無二。書籍化作品より個人的には素晴らしいと思う作品が人によってはあったりするように、物語を数で評価して順位付けようとする事そのものが本来無粋なのかもしれないなあ、と、あまりにそれぞれの登場人物が魅力的な為に思わないでもなく。
知り合い()から勧められてレビューを書いた時点ではとりあえずエピソード1まで読みました。
まずとにかくアツい。少年マンガや某超機械兵大戦のようなアツさを持っていて、思わず読むスピードが早まってしまった程。少年マンガならぬ少年小説とでも言おう作品は中々見たことなく新鮮だった。
そしてやはりバトル方法が斬新。特に出来上がった小説のみならずその作業工程で生み出されるソウル・ライドの攻撃。一見、現実ではそうはならねぇよと思うようなことを真剣に繰り広げる少年マンガのような(良い意味で)バカバカしく、それでいて何かが込み上げるような緊張感溢れるバトルがここにある。
あの頃に爆球連発した人や爆転シュートした人、ゲーム拳必殺五十連打した人などあの頃のバカバカしさとカッコよさを知る人に特にオススメ。是非読んでみて欲しい。
ただアレですよね、「球技と忍術を組み合わせたまったく新しい戦い」の忍球をする「ハヤテくん」は確信犯と捉えてよろしいですよね?ね???
この時点で、未だ完結を見ないわけだが、そのクオリティの高さに敬意を表しレビューを書かなくてはならない。
というか、既に『Episode.1 Starting - Nove(R)ize』の時点で高い完成度を誇っているので、さっさと評価を入れてしまおうかと考えたくらいだ。
特筆すべきは、筆力のヴィジュアライズという点。
可視化、数値化されたシステムの中で交わされる、さながらカードゲームバトルのような親近感溢れるアイディアには、膝を打つやら天を仰ぐやら脱帽である。
このイメージしやすさは、ライトノベルとして格段の相性の良さだろう。
また、忘れてはならないのはライバルたちの背景。
彼らが生み出す作品たちのバックボーンとして、ひとつひとつ芯の通ったドラマが展開されており、作中作に血を通わせている。結果、ストーリーに深みを与えているわけだ。
そんなノベライザー達の熱い戦いに、思わずカク側もヨム側もまさにライジング、この高揚感にカタルシスを得ること間違いなしの素晴らしい作品とオススメさせて頂きたい。
もちろん、4P:エクセレント【EX】! 完結——オーバー・ライズ——が待たれる。
氏の作品を久しぶりに読んでみて、驚いたのが表現力(内容は勿論、記号などの使い方も)、そしてなにより斬新な題材でした。
はじめは流し読みしようと見ていたのですが、そのうち読んでいる自分に驚かされました。
出だしから、いきなり飛んだような本編への繋ぎで既に魅せられていたのでどうなるのか?何に繋がるのか?‥そんな気持ちと、挟み挟み入れ込まれる作者様の独特な言い回しが妙に面白く最後まできちんと読めてしまったこと、本当に試行錯誤して作られたことが届きました。
ネタバレ行為は禁止されているので割愛しますが、読めばその意味が理解してもらえると思います。
久しぶりの読書となりました、ありがとう御座います。