日韓問題の一側面を描いたエンターテイメント

この物語は決して日韓問題を解決しようと言う物語でもなければ、どちらかの国を擁護した物語でもありません。ただ、作者様の知り得る限りピースを集め、それを物語として落とし込んだ作品です。
決して押しつけがましい教科書ではなく、あくまでエンターテイメント作品です。

なのでこの物語が日韓問題のすべてではありません。
韓国人の方が読んでも、日本人の方が読んでも、この物語ですべてを理解する事は出来ません。何故なら、育った国も、育った年代も、育った環境も、すべてが違うのですから。

ならばこの物語は日韓関係に関係のない、意味のない物語なのか?
それも違います。
物語を読み進めれば、日韓関係の一側面を知る事が出来ます。
それが大切なんです。
違う国だからではなく、たとえ同じ国であっても、人と人とがわかり合うにはまず知る事が必要です。
意気投合する所もあるでしょう。イヤな所もあるでしょう。それが、人と人との付き合い方です。

正直、私も韓国を好きではありません。
しかし、日本人の考えも韓国人の考えも興味があります。
それはとても多角的です。日本人でも考え方が違うように、韓国人だって考え方は千差万別です。
そんな千差万別の思想の元で繰り広げられるこの作品は、日韓関係に客観的なメスを入れる物語なのではないでしょうか?

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