大きな怪獣の足の下で。

※作品は絶対評価したいので星は全部二つです。なら三つでもよかったじゃないかって? ほんとそれ。
※最後まで読んだ感想です。当たり前ですが。


幼少の頃より無類の怪獣好きだったこともあって、こうした作品には目がありません。怪獣が台風津波地震と同等の災害として扱われる世界? そんなの面白いに決まってます。

怪獣は、伝統芸能。

設定としてはSFの中では割とあるものです。なので、どういった世界観を考察し、お見せしてくれるのかという部分にワクワクがあります。

できる限りネタをばらさないように書くと、某『怪獣黙示録』みたいなやべー雰囲気は、今のところありません。

どこか、非日常を日常としている。イカれた雰囲気が当たり前のように進行する伊坂幸太郎さんの短編のような―――そういえば、伊坂さんの短編にも怪獣モノがありました。

―――閑話休題、怪獣警報が出ているにもかかわらず、街はどことなくすっとぼけた空気で、モタモタと避難する人々や、怪獣に家族を踏み潰される人、生きてる人、死んでる人、救われたり救われなかったりする人がいる、まぁつまり、“普通”の世界です。

応援コメントに「ある種の共存共栄、コバンザメみたいな人類」みたいなことを書かせてもらいました。

どこまでも自然の中の人類。怪獣が出てもそれなりにやっていくのかなと、重低音のような無常観が貫く中に、パッと“燃える”瞬間があり、決して人間を突き放さない優しさを感じました。

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