淡く、吟味す。

地方のショッピングモール、テナントの服屋で働くのは羽生朱色(23歳、役職:店長)
ふと東京の店長会に出席した時、これまでの軌跡を振り返る。
１ヶ月でアルバイトから正社員に、３ヶ月で副店長、１年で店長に。
全てが上手くいっているような駆け抜けた今までを。
上手くいっているように見えていただけの今までを。
そこには確かに踏みしめた日々があった。

失った冬の５０日間を取り戻す日々。
自責で一度は潰れた生き地獄を払拭する為の日々。
忘れる事の無い、手枷に縛られていた日々。


生活、将来、先の見えない未来、不思議と不安は無かった。
気付けば周りにはこんなにも個性豊かな存在に恵まれているのだから。




アパレルで働く全ての人に届けたい、いや、共感が欲しい。
そんな傲慢で、でも寂しくて綴っていく備忘録。