偽りのヴィーナス

神隠しーー
古き時代から急に人がいなくなるとそう呼ばれていた言葉。
だが、科学や情報が発達した現代社会そのほとんどが自らの失踪、自殺、もしくは殺人や拉致、誘拐などで解決され処理されていった。
もはや迷信や噂話でしかなかったはずの言葉…。
その少女は走っていた。そしてたどり着いた先にその神社はあった。
母親からは絶対に近寄るなと言われていた場所。
少女が神社に願うと本殿から女の声が聞こえてくる。彼女が扉を開けると
そこにはー
暗闇の中桜愛梨と少女の名前を呼ぶ女の声だけがしていた。
助ける代わりに全てを忘れ失うと愛梨に伝えた女。
その言葉に最後まで悩んだ彼女。
愛梨が助けて欲しいと女に伝えると
女は姿を現し愛梨にピアスを渡すと
「私は女神、女神テミスよ」
と愛梨に伝えるのであ…続きを読む