なんか……百合……なのか? これ?(アホです。耽美ではありません)
私には、好きな人がいるッ!
そう! その好きな人こそッ!
クラスメートであり、スポーツ万能成績優秀容姿端麗のまさに絵にかいたような優等生美少女! カスミちゃんだッ!
好きは、ラブの好きなのだァァァァァァッ!
……と心の中で叫んでみるも、当然本人には届かないこの思い…ッ。
はぁ、無理だよねぇ……絶対。まず私女の子だし、男子からの告白もことごとく断ってるし、昨日も告白されたらしいしッ!
「まあ、……まだ好きとかそう言うのよくわかんないから……」
byカスミ
それなら私が教えてあげるッ! なんなら私なしではいられないくらいにベッドの上でねっとりと(規制音)。
というわけでまぁ、周りからアホの子と言われている私なんかが、学校一のカスミちゃんに告白したところで振られる未来は見えているのでありまして。
うーん。悩ましい。
「す、す、す、す、すき焼きです! 付き合ってください!」
告白の練習をしてみる。
「すすすすすすき放題です!」
「何してるの、ミナミちゃん?」
ひょいと顔をのぞかせる、カスミちゃん。びっくりした! しかしかわゆい!
「なななんにも!?」
「ふーん……」
何そのジト目! やめて! 眩しすぎるよォォォォッ!
「告白の練習とか?」
「貴様ッ! なぜ……ッ!」
「ふふ! わかるよォ、乙女の恥じらう告白練習って感じだったもん!」
「わかった……白状する……好きな人がいるんだけど……やっぱりやめる」
「え? なんで?」
私は、ちょっとテンションが落ちつつも、カスミちゃんに理由を話した。
「ほら、私ってなんかいっつもふざけちゃうしさ……。その……ぜんぜん振られちゃう感じだし……」
「……」
「ほら、やっぱりアホのままでいたほうが! そのことも気まずくならないし! なんならお友達っていう素敵なポジションに……」
「ダメだよ」
「……え?」
「そんなの駄目だよ……好きなのに……そんなんで苦しんじゃ」
「カスミちゃん?」
「だって……そんな上で成り立ってるアホのミナミちゃんなんて……私はみたくないもんッ! アホのミナミちゃんは! 考えずに明るく突っ走ってるから、みんなを楽しませてるのに……そんな悲しいミナミちゃんなんて、私は嫌だ!」
「ふぇ!?」
「カスミちゃん! ちゃんと当たるだけ当たって砕けよう! そのほうが絶対後悔しないよ!」
「ふぇええええええええええええよっしゃあああああああああなるだけなったれえええええええええッ!」
「へ!?」
「つきあってくださあああああああああああああああああああああい」
こうして付き合いましたとさ、ちゃんちゃん!
K-sukelemonの短編集 玲門啓介 @k-sukelemon
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