青春の中で、変わらないものと変化するもの。絡み合う、少年少女の群像劇。

少年・少女たちが交代で主人公となり、それぞれの視点で物語を作り出す群像劇です。

どの主人公も楽しく個性的で、グイグイ読めてしまいます。
子供から大人への過渡期にいる彼らが、変わらなければいけないものと、ずっと変わって欲しくないものを、探しては見つけていくストーリー。
それぞれの綴る、若々しい爽やかな視点が作品を魅力的に彩ります。

身内の死を見つめ続ける少年。
少年が書いた未完の小説を、音楽へと昇華させる少女。
決して変わることのない、仲間を傷つけることを許さない正義感。

たくさんの小さな光が心地よく絡み合いながら、「岩田屋町」という大きな物語を作り上げていく。
気がつくと、この世界にどっぷりとハマってしまいます。
現代の青春ドラマがお好きな方に、自信を持ってお薦めできる作品です。

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