幸せは猫と共に


 コタローとチャチャ。2匹は兄弟猫なのだが、眠り方が全く違う。


 コタロウは頭を抱えるように寝る。片腕で顔を覆うような格好で

「どうもすみません」寝


 そしてチャチャはへそ天と言って人間のようにあおむけで寝る。

手はおばけだじょーのポーズで足はピーンと伸ばしているか開いている。

「おっぴろげだ」寝


 外暮らしの猫がそんな寝方をしたら大変だ。攻撃態勢に入るまで時間がかかるだろう。あんなにシャーシャー君なチャチャがそんなに安心しているのかと思うと涙が出そうだ。



 ネコとの生活は本当に楽しく。そこにいてくれるだけでいいと思う。


 宇宙人の使いでもボスでもいい。NNNの策略でもいい。うちに来てくれてありがとうと思う。



 縁と言うのは本当に不思議なもので、私がアメリカ人と結婚したのも、そういう何か運命なのだろうと思う。そして生まれたところからこんなに遠くで暮らしているのも半分日本人半分アメリカ人(といってもロシア系やルーマニアなど多数の血)の子供が生まれ育てたのも不思議だなと思う。


 そしてたまたま異動先に命令されたロスアンジェルス基地に行ったのも、そこに母を呼ぶことになったのも、だから子猫を飼おうと決めたのも、なにもかも最初から決まっていたのではないかと思えてならない。


 その後オハイオに来た。それまでは病気をしたり、いろいろな経験をしてきて、いまこうやってのどかな片田舎で猫たちとのんびりと暮らしている。


 猫たちは日なたで大股開きで今日も寝ている。いつも目の届くところにいて、目が合うと真ん丸な目をしてニャンと鳴いた。


 その姿を見てプッと拭きだし、幸せの塊が胸の中に広がっていく。


 暖かくなった背中の毛をなでながら「ありがとう」と声に出して言う。


 「うちに来てくれてありがとう。幸せをありがとう。大好き」


 猫たちこそが幸せを運んできてくれた気がするのだ。そして心に思っていることは声に出して言うのをモットーにしているので、夫にもありがとう。息子にも大好きと毎日言っている。こうやって書くと照れてしまうが。


 言葉が通じない猫にとっても大事なことだと思う。おでこをなで背中をなで、お腹に顔をもふっとうずめて「大好き、本当だよ、大好き。ありがとう」と毎日繰り返し言う。


 コタローとチャチャは答えるように目を細め、ゴロゴロと喉を鳴らす。


 今日は暖かく窓を開けている。窓の外には遠くまで芝が広がり、その先には森が見える。そこにはウサギや鹿もいて春になるとベイビーが生まれる。


 長い冬からいつの間にか春になっていた。


 猫たちは今日も陽だまりで窓からの風にあたり、たくさん生まれた小鳥の声に耳を澄ましている。そして夫と私と息子は笑顔でその様子を眺めている。


 猫たちが運んできてくれた幸せだと信じている。


 こんな幸せな時がずっとずっと続きますように。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

アメリカで猫と暮らす Part2 真白タミィ @lovecats

★で称える ヘルプ

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ