大学生の味わうカクテルは杏の味

カクテルの登場する小説というと、大人の男女がバーでカッコ良く飲んでいる、いかにも大人の恋愛物だったり、あるいは、中高年男性の人生の重要な場面にかかわっていたり……

市販の小説や漫画に、私はそんなイメージを抱いていました。
良い話ではあっても、知らないリキュールや材料を使う奇をてらった新しいカクテルが要となる話ではまったく味の想像が出来ず、話に入り込めずに残念がることもありました。

ですが、こちらは、大学生たちのお話です。
これなら、読み手が学生やお酒に詳しくない大人であっても取っつきやすいでしょう。

カクテルは、決して大人だけのものではなく、強いお酒が飲める人だけのものでもなく、アルコール度数の低いカクテルにも、ノンアルコールカクテルにも、謂れやロマンがあります。
特別なものとしても、特別でもなくただ楽しく飲んでも、最近はやりの家飲みでもいい。もっとずっと身近に感じられていいものなのです。

そんなことを思い起こさせていただきました。

大学生たちの想いが交差する杏のカクテル「アプリコットフィズ」は、どんなお味なのでしょう?
この素敵な物語で、ほろ酔い気分に浸ってみませんか?

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