眠れる姫様を助けよ!!編

─前編①─

「え!?君の名前、ユズルって名前だったんですか!?」

私は、そうなふうに、驚いていた。

で、そんなふうに驚く私の姿を見た、彼はというと、そんな驚くことか?とで言いたげな顔をしていた。

「じゃあ、ユズル、早速ギルドに行って、クエストを受けましょう!!」

クレアは、というと、何故かとても闘志に燃えているようだった。

「ああ、そうだな。早くいくぞ、女神様」

「え、あ、はい」

いまいち今の会話が繋がっていなかった気がするの私だけでしょうか……………

「えー、俺達は、どのクエストを受けることができるんだ?」

「この青ランクプレイヤー推奨と書かれいているやつならなんでも、受けれますよ」

「そうか。じゃあ、この眠れる姫を助けよ!ってやつも受けれるわけだよな?」

「はい。…………って、なんですか、そのクエスト、私初めて聞きましたけど!?」

「そうなのか?じゃあ、このクエストは、緊急クエスト的なやつなのか」

「緊急クエストという概念は、ないはずなのですが…………少し見せて貰ってもいいですか」

クレアには、見えない位置にあるため、ユズルがクエストボードから取ってあげていた。

「こ、これは、個人主催 クエストじゃないですか!!」

「個人主催クエスト?なんだそれ?」

「個人主催クエスト。それは、通常の場合、クエストというものは、ギルドが冒険者に提供しているものです。ですが、このクエストのように、個人主催クエストは、ギルドに個人からこのクエストを冒険者にやらせてもらって欲しいと言っているのです」

「ほぉー、つまり、個人主催クエストを作成できるのは、相当権力がある者。それこそ、異名持ちぐらいじゃないと無理だとそういうことだな」

私は、いまいち今の会話についていけていません。個人がなんとか、ギルドがなんと言っているのは分かるのですが………

「そうです。だということは、これは、普通なら金ランクプレイヤー推奨のはずです。なのに、なんで青ランクなのかが分からないんですけど………」

「ああ、それなら、俺分かるぞ。これはな。たぶん、魔法で、金ランクプレイヤー推奨というところを青ランクプレイヤー推奨に変えているんだと思うぞ」

私は、そこでこのクエストの作成者誰なのか分かった。

「…………メディアさんが作成したものだということなの?」

「おお!たまには、女神様も頭が回るじゃん。そう、このクエストは、さっきの異名【破壊の魔女】メディア・セシルが作ったものさ」

なんか、私、今少しユズルに小馬鹿にされた気がするけど、気にしない。

そして、ユズルは、唐突に笑い出すのだった。

「はは、これは、面白いことになりそうだ」

と。

それが、メディアさんが作ったものだと分かるとすぐに、ユズルは、クエストカウンターにその紙を持っていった。

………クエストカウンターに向かう時に、ユズルが少しだけスキップをして、そのスキップの姿が、少し可愛かったというには、ユズルには言わないでおこう。

そんな、ふうに思う私だった。

そして、ユズルは、クエストを無事に受注できたのであろう。少し誇らしげな表情をしてこちらに帰ってきた。

「よし、無事にクエストを受注してきたぞ」

「そうですか。でも、ばれなかったんですか?」

「これが、本当は青ランクプレイヤーではなく、金ランクプレイヤー推奨であることがか?」

「はい。なんせ、ギルドには小細工は効かないので」

「ああ、そういうことか。まあ、それは、俺もクエスト受注している時思ったけど、メディアの魔法は、凄かったみたいだったから、ばれなかったみたいだな」

「そうですか 」

「で、受付嬢が言ってたんだけど、このクエストなんだが、どうやら、クエスト場所が遠い場所らしいんだわ」

「遠い?それは、どういう意味?」

「んーと、女神様にはたぶん、分からないだろうけど、クレアなら分かるじゃないか。クエストリュームと言っただけで」

私は、なんのことなのか、ユズルが言ったようにわかりませんでしたが、クレアは、少し顔をひきつかせていた。

「クエストリュームって、帝都内に存在する、世界最大級の都市とまで言われているところですよね?」

「ああ、そうだ。俺は、なんのことなのか、わからなかったから、受付の人に聞いてみたらさ、帝都にある、世界最大級の都市ですよと言われただわ」

「それって、もの凄く呆れ顔でしたよね?」

「ああ、そうだったな。具体的には、そんなも知らないんですかって感じだったな。でも、そんな、皆が皆知ってる程でかいところなのか、そのクエストリュームってところはさ」

「凄いもなにも、クエストリュームと言えば世界最高の都にして、世界最大の冒険者ギルド『蒼薔薇の聖騎士団ナイトメア・ブルー・ローズ』の本拠地でもあるのですよ!!」

「いや、そんな興奮気味に言われてもな………それに、そんな大それたものなんかあったのか………ん?その蒼薔薇の聖騎士団さんは、最強なんだよな。じゃあ、それって、異名持ちよりも強いのか?」

「どうでしょうね。それに言ったては、私には分かりません。異名持ちの人たちは、どちらかというと個としての力はとても優れています。ですが、異名持ち同士でパーティーを組んだところで、あまり1人でやるのと変わらない気がします。だって、異名持ちの人達は大概に、人となにか行動を一緒にするのが苦手な人達ですし、それで、蒼薔薇の聖騎士団の人達は、個としての力は、異名持ちには到底及ばないでしょう。ですが、集団となればとても強いのですよ。なので、一概にどちらかが強いとは言えないのです」

「そうか。ありがとう。そういえば、クレアは、魔王の存在は知っているのか?」

「魔王ですか。勿論知っています」

「そうか。蒼薔薇の聖騎士団ってのは 個の力は、到底異名持ちに叶うことは、ないけど、それが束となれば、強いんだよな?」

「はい」

「じゃあ、魔王と戦ったことはあるのか?」

「それは、ないです。それに、いくら、蒼薔薇の聖騎士団が集団となって強いと言っても、そんなのは、たかが知れていますから」

「そうか。ありがとう。………ん、じゃあ、やっぱり、魔王討伐には、異名持ちを俺の仲間にしないとな。ま、話しはこの辺にしておいて早速その世界最高の都市クエストリュームへ行こうではないか!!」

「そうですね!!」

…………なんというか、私はこの人のテンションのついていける気がしないのですけど………

「ほら、女神様もさっさと旅に出る準備をしろよ、あと、女神様だけだから」

「え?いつのまに!?」

なんということでしょう。私が、この人のテンションについていけないなど考えている間にもう準備が終わっているだなんて…………恐るべし行動力。………それに、クレア。貴女もとてもノリノリなのですね。

こうして、私達は、世界最高の都市クエストリュームへと向かうのだった。








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