武器購入
彼が、異名持ちを仲間にしようと言ってから数日がたった。
「よーし、金も貯まったことだし、武器買いに行くか」
この文を見るだけで分かるだろうけど、彼はまだ武器を持っていない。
………まあ、私も持っていないけど………
「そうですね」
そして、クレアがそう返していた。
クレアは、最初こそ恥ずかしがり屋で、なかなか普通に話して来なかったけど、最近は、話せるようになってきている。
「あ、そうだ。女神様。女神様は、武器とかいらないのか?」
「いらないかな?だって、ほら私魔法使いなわけだし」
私もこうして、彼に砕けた感じで話せるようになっていた。
………なんというか、時の流れって凄い。
「そうか。でも、防御できるものは、持っていた方がいいぞ」
「確かに………わかった。じゃあ、防具ぐらいは買うかもしれない」
「そうか。ってことで、今から準備してこい!!」
「はは、なにを準備するって言うのですか?準備するもなにも、もう皆準備できているではありませんか」
「そうだけどさ………このセリフ言ってみたかったんだ」
「「ふふ」」
と、私とクレアの微笑が重なる。
「……ふふ、貴方にも、そういうところがあったのですね。意外です」
「………そうか……」
そして、私たちは、武器屋に向かうのであった。
*
武器屋に入ると、恰幅のいい男性に、とても元気のいい「へい!いらっしゃい!!」と歓迎された。
「で、なにを探しにきたんだい?剣かそれとも防具か?」
「俺は、剣を買いにきた。だから、教えてくれないかな、この店オススメの剣がどれか」
「ああ、いいぜ。で、お嬢ちゃんたちの方は、なにか欲しいものでもあるのか?」
「…………私も………剣が欲しいです……」
私の頭には?になった。
………クレアが、何故剣が欲しいの?だって、ほら、クレアって、魔法士でしょ、それなのに、剣って………あとから聞いてみよう。
「お嬢ちゃんも、剣か。で、もう1人のお嬢ちゃんは?」
「え、ああ、防具を買いに」
「そうか。防御な。分かった」
それから、店主に少し準備があるから外で待っていてくれと言われいて、私たちは、店の外に出るのだった。
私は、店を出るなりすぐに聞いた。
「クレアも剣が欲しかったんですか?」
クレアは、少し頬を赤くして
「…………うん………」
「ははーん、そういうことか」
と彼がそう言った。
「なにが、そういうことなの?」
「女神様、分からないのか?」
彼が、挑発するようにそう聞いきた。
………むう、なんかムカつくな。
私は、どういうことなのか考えたが、結局分からないず
「………分からない……で、どういうことなの?」
「どういうことかって、簡単なことさ。自分も剣が欲しかったっていう」
「そんなことなの?」
「そんなことなの。そうだろ、クレア?」
クレアは、なにも返事をしなかったけど、顔が赤くなっているところを見るに、そうだったみたい。
入っていいぞ!と言われたから、店の中に入ってみると、剣や防具、その他にもいろいろな物が机に広げられていた。
「この中から、選んでくれ。まあ、いいやつばっかだかな!!」
そして、っふはは!と笑った。
「じゃあ、俺から選ばせてもらうな」
そういうと彼は、とてもはしゃぎながら、物色し始めた。
そして、クレア、私と続き、武器購入が終わった。
*
「で、なんで君は、剣を2本も持っているのかな?それに、なんで剣に名前なんてあるの?」
そうなのである。
あろうことか、彼は、長剣を2本も買っていたのだ。しかも、その2本の剣それぞれに、名前をつけていたのである。
「ん?ああ、俺、実は、二刀流なんだ。それに、剣に名前をつけるのは、当たりまえだろ。だって、これから、俺の相棒になるんだからさ」
彼は、とても誇らしげにそう言った。
「確かに、自分がこれからお世話になる物だから、名前をつけるのは一理あるかも………でも、君が二刀流なわけないでしょ?だって、剣を2本同時に使うことって相当難しいんだよね?」
「ああ、難しいかもな。でも、できないわけじゃないし、それに、女神様は、まだ俺の本当の力を見たことないのだから、わからないんじゃないか?」
「そうだけど…………でも」
「まあ、いいさ。いつか、しっかりと、俺がこの【
「わかった」
私は、そう言ったけど、内心では、そんな未来はないと思ってしまっていた。この時の私は。
「よし、武器も買ったことだし、クエスト受けに行かないか?」
「そうですね………実は私もさっきから、人生始めて買ったこの剣を早く使ってみたいですし………ねえ、くーちゃん」
ちゃっかり、クレアも買った剣に名前をつけていたのであった。
………っていうかくーちゃんって可愛すぎじゃない。
私も、買った防具に名前をつけようとしたけれど、なかなかいい名前が出てこなかったから、諦めることにした。
そして、私達は、ギルドへ戻るのだった。
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