コスプレ界は桃源郷?それとも魔境?女性レイヤーとイケメンカメコ恋愛物語

つまらない自分を変えるため、コスプレの世界へ飛び込んだ女子高生・島津凛子が、イケメンカメラマンと出会い、恋に落ちていく。

お相手のイケメンくんは女性コスプレイヤーの間では有名なモテ男で、真面目なお嬢様の凛子はチャラい性格に反発しつつも、彼の撮る美しい世界観に惹かれていく姿がプラトニックでときめきました。

イケメンカメコと女性レイヤーの恋愛ものというと、一部の人には地雷かもしれないが、恋愛というのは綺麗事だけではない。嫉妬や欲望が渦巻くドロドロした人間模様にこそリアリティがあると思う。

作中でも、凛子を取り巻くコスプレイヤーの女の子たちは、仲良く好きな格好をしてキラキラ輝いているようで、裏側ではお互いに牽制しあったり、ヒエラルキーを築いていたり、女子社会特有の面倒臭さがある。

結局どこまでも現実のしがらみはつきまとうけれど、コスプレをして写真の中だけでは物語のヒロインになれる。理想のキャラクターに変身する、コスプレというのも立派なクリエイターだ。

どこまでがリアルで、どこまでがフィクションか、判断は読み手に任せるが、こんな世界があってもいいだろう。

(クリエイター特集/文=愛咲優詩)