記録21:リパライン語を話せますか?
WD文学のような状況で重要なのはまず住居を確保することだ。この時代にまともなやり方で住居を得られるとは思えないわけだが。まともな住居は金持ちのためにある。この時代の大衆の家とは一種のレストランとテントだ。この時代の殆どの大衆は”冒険者”だからだ。我々が当面の目標としてやらねばならないのは我々と彼らの間で意思疎通が出来るかどうかということを確かめることだった。
「取り敢えず、誰かに話し掛けてみよう」
「通じるのかは分からないけどな」
答えたのはクローマ生だ。彼女はこの時代に詳しいから、我々の言葉が通じないかも知れないと考えたのだろう。
視界に入ったのは奇妙な服を着た者だった。客なのだろう。彼は見つめられてその視線に気づいたのだろう。訝しむ顔はこちらに視線を返していた。クローマ生は焦って彼から視線を外したが、ベルチェはただ助けを求めるように彼をただ見ていた。今のままでは単なる変人だ。
「同志、一つ訊きたいことが……」
「ねえ、今は市民革命前だよ?」
「君は一々呼び方にまでツッコミをしてくれるのかい? 出来た芸人だな」
私達のお笑いに大した意味はなかった。私達に話し掛けられた彼は困り顔で唇を緩める。
「げえんすめたちぇ、しかし、私は君のこちゃーをあぐえら無い」
「大雑把には分かるような…… いや、それは言い過ぎか」
相互理解への道のりは遠く彼方のようだった。
Edixa lex dosnud jeskasti xici Fafs F. Sashimi @Fafs_falira
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