ネリネを抱いて

ネリネを抱いて

去っていく君に愛を込めて

さようならなんて言わないよ。

いつだって私はここにいます。

君と一緒にいた時間は、そんなに長くなかった様な気がします。

あなたの詳しいことなんて知らないのに

それでもなぜか、気にかかるのです。

どうかあなたの未来に幸多からんことを

遠くから祈っていることにします。

私はここにいますから、

あなたが必要になったときに

また見つけてくださると嬉しく思います。

いつかあなたが苦しいときに

楽しい思い出の一つになれればいいなと、今になって思うのです。

さよならと言って、寂しくさせてしまうのは悲しいから

黙って背中を見送ることにします。

家族とも親しい友人でもない私が、何かの意味に成れるとは思いませんが

どうか、また会える日まで

胸を張って出会えるように。

ネリネの花言葉の中に「また、会う日を楽しみに」「幸せな思い出」などがあります。

その花を思い描き、いつかのその日を待っていることにします。

どうぞ、君の人生が暖かなものになりますように。