半睡のあわいで生命を謳う、幾夜の結晶

玻璃質の脳髄にも似た〈驚異の部屋〉から産された、この精緻な宝石箱の中には、星が、月が、太陽が、山水が、雨が、雪が、稲光が、鳥獣虫魚が、春が、夏が、秋が、冬が、その他様々な美しいものが、不思議な工法によって鉱石質な素朴の結晶に加工され、きらきらと光り輝いています。
それらをものする優しく静かな手は、細工師、彫刻家、雑貨屋、天文学者、錬金術師、何と呼ぶべきか、或いはその全てでしょうか。
凝縮された物語の種や芽とも言える結晶達は、しかしただの置物でも骨董でもなく、確かな命を持って、この世の美しさとそこで生きることの素晴らしさを謳い上げているのです。
いつまでも心の片隅の、大切な引出しの中に収めておきたい、そして時折取り出して、その煌きを眺めていたい、素敵な言の葉たちです。