日本国全ての鶏に降って沸いたる災禍…そこから始まる、悲劇的な喜劇、或いは喜劇的な悲劇の連鎖。笑い涙誘う蛙の受難。逆とんとん拍子とでも言いたくなるような、奇にして妙の糸車で紡がれてゆくこの物語は、もはや風吹けば桶屋儲かる…どころではない。病の風の舐めた全てが、狂ったように躍りながら、最後の「三分間」へと収束してゆく、崩壊のカタルシスをご賞味あれ。
現代の世相を巧みな筆捌きとトゲだらけの鉄拳を使って殴り上げた、ではない書き上げた大傑作風刺劇。 本来なら何字でも語りたい作品だが、少しでも作中に触れるようで手控えねばならない。だが語りたい。際どいジレンマだ。 一つ確実に触れておくべきは、本作の原動力(?)となったある存在だろう。現代日本に限った話でもないだろうが、所詮人が集まって形造るモノはすべからくそういう状況にならざるを得なくなっていく。早いか遅いかの違いはあるにせよ。 本作に触れられて良かった。
『風が吹けば桶屋が儲かる』って言いますよね。ちょっとした出来事が積み重なって大きな出来事が起こるってお話です。日本国民が何気なくあって当然と思っている物が無くなる瞬間、衝撃の展開をお楽しみください。