身構えて損したじゃないか!

 プログラミングやら、オブジェクト指向やらと、あらすじに取っつきにくい言葉が書いてあったんで身構えて読んでみれば、ただの取り越し苦労。そんな心配は無用でした。


 強大な【影の王】に立ち向かう唯一の術は、貧弱な魔法弾のみ。
 それでも試行錯誤しながら対抗手段とするべく、苦労を重ねる魔法研究者の生き様を描いた作品として、特別な知識なしでも楽しませていただきました。

 あくまでもそこに用いられた考え方が、プログラミングに沿っているというだけ。
 もちろんそういった知識を持っている方が読めば、より一層楽しめることでしょう。

 ですが……。
 情感たっぷりに描かれる、大規模戦闘の迫力。
 様々な思惑を持った、主人公周辺の登場人物たち。
 そして簡単には運ばない、紆余曲折の魔法強化への道。
 これだけ詰まってるんですから、そんな楽しみは副次的なもの。

 純粋に物語を楽しむだけで、充分お釣りがきますよ。

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